竹島水族館特集 水上にも適応した魚

2026/10/14 00:00(公開)

水上にも適応した魚

 

魚にとって欠かせないものと言えば、当然「水」です。魚は水の中にすんでいるんだから当たり前ですね。彼らは水中から酸素を得るエラ呼吸なので、一生を陸上で暮らす魚はいません。いたら魚ではないですね。しかし、一生のうち一部を水上で過ごす魚は実は結構います。竹島水族館にもそんな魚が暮らしており、驚くべき生態を展示しています。(竹島水族館館長 小林龍二)

 

トビハゼ
トビハゼ

■水上に上がる代表選手

 

 魚のくせに自分から陸上に上がってくる挑戦的態度を持った生態の魚に「トビハゼの仲間」がいます。ムツゴロウで有名ですね。このあたりでもよく釣れる普通のハゼは釣れたのを陸上に放っておくと生きていられませんが、トビハゼの仲間は体全体から酸素を取り入れる皮膚呼吸が発達しているのと、エラの中に少量ながら水を蓄えるので少しの間なら水から出て活動できます。

 しかしながら泳ぐのが専売特許の魚たちなので歩くのは苦手。そのため胸ビレや尾ビレを器用に使って飛び回ります。結構早くて、捕まえようとしてもなかなか捕獲できません。広い大地を見渡すために目は出っ張っており、今自分がどこにいてどこに何があるかなどの空間認識や土地勘の記憶能力はかなり優れていることが研究や観察からわかってきています。苦しくなると時々水に浸かり酸素の補充をしなければいけないので水際からそれほど遠くには出かけられません。

 

ハイギョの仲間
ハイギョの仲間

■遠出しちゃうやつ

 

 水から出るものの魚なのでやはり水への依存が高いトビハゼに対して、アフリカのクラリアスというナマズの仲間やハイギョの仲間は水から出て散歩して別の水たまりに移動をします。すんでいた水辺が気に入らなかったり、乾季になり水が少なくなると「こりゃいかん」ということで別の快適な場所を求めて大地をはい回り引っ越しするのです。ハイギョに至っては、はいずり回り水辺を探すのが面倒なのか、穴を掘って再びそこに水たまりができるまで繭を作って休眠してしまいます。その間水はないので体からの特殊な粘液で自らを保護します。変なやつですが、ハイギョはエラではなく肺呼吸で分類的に正式にはいわゆる代表的な魚の仲間とは別の肉鰭類(にくきるい)というシーラカンスと同じ分類グループに属す番外編的な生き物です。

 

プレコの仲間
プレコの仲間

■7日生きるからナヌカザメ

 

 特殊な能力以外に単純にタフなやつ、という魚もいます。アマゾンに住むプレコの仲間は水から出して放っておいても半日くらいは生きています。これはさすがにダメか、という状態で干からびていても水に浸けると、まったくいい加減にしてくれよな、という顔をしてよみがえって泳ぎだすので驚愕することもあります。

 深海に住むナヌカザメというサメも、水から出しても7日くらいは生きる、というのが名前の由来です。さすがに7日も生きませんが、深海で暮らしていたら普通はまず一生水から上がることはないだろうサメなのに、深海から引きあげられて陸上でもある程度の時間耐えられるというのはこれもプレコと並んで驚愕の体力です。釣られて陸上に上がると一応暴れるものの、すぐにうつろな目をして諦めたように静かになってしまうサバやマグロはこの根性を見習ってほしいものです。

ナヌカザメ
ナヌカザメ

■私は無理でも命はつなぐ

 

 アフリカ周辺や南アメリカに住むノソブランキウスやオーストロレビアスという魚たちも非常に特殊な生態を持っており、雨季と乾季を繰り返す場所に住んでいるので、乾季になると水が干上がり魚はミイラ化してしまいます。しかし水がある時に盛んに繁殖して産んだ卵は乾季でも地中で乾燥に耐えて休眠しており、卵の中で赤ちゃんが育ち再び雨季になって水たまりができると一斉に生まれます。生まれた赤ちゃんは雨季の間に急速に育ち繁殖します。そのため彼らの寿命は非常に短く、最短3カ月ともいわれる命の短さです。世代交代のサイクルが早いことに着眼し、老化や認知症などの研究材料としても重宝している魚たちで、飼育下でも産んだ卵は水中でそのままにせず、陸上に取りだして一定期間を休眠させないと赤ちゃんが生まれないので、やや面倒で手がかかります。

 自然下では環境の悪化で絶滅の危機にひんしており、すでに自然下では絶滅したといわれる種類もいるため、竹島水族館では専門家や愛好家たちと協力し、維持と展示紹介をしています。実はこの生態と美しさから私もとりこになり、自宅で繁殖もしています。

 面倒で特殊な生態なため、全国の水族館での展示は皆無ですが、非常にきれいな魚たちで小さくてかわいく、成長も早く日に日に大きくなるので育てがいと展示がいのある魚です。

 

ノソブランキウス
ノソブランキウス

■HOT情報コーナー

 

 11月14日(土)、15日(日)の2日間で開催!

毎年恒例の大人気イベント「がまごおり深海魚まつり」

 蒲郡の深海漁師直送のとれたて魚のたたき売り、漁師との交流、競り大会、ステージでの深海魚にまつわるイベントや歌、漁師の奥さんたちによる濃厚深海エビ汁ふるまい、深海魚にまつわる飲食やグッズのテント40店舗など盛りだくさんで蒲郡の深海魚を見て知って食べて楽しめる大イベントです。

場所:竹島水族館前広場

時間:午前10時から午後4時

 

私たちは竹島水族館を応援しています。

 

愛知ダイハツ

音部株式会社

蒲郡信用金庫

笹やグループ

鈴中工業株式会社

豊田東海警備グループ

平松食品

ホテル竹島

ホンダカーズ愛知中央

山八商事

※50音順

 

INFORMATION|施設概要

竹島水族館

愛知県蒲郡市竹島町1-6

TEL: 0533-68-2059

開館時間:9:00~17:00

休館日:なし

公式HP:https://www.takesuideepsea.com

 

 

 

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