部活動の地域移行が進むなか、子どもたちが音楽に打ち込める新たな取り組みとして活動を広げるのが、豊橋市内の中高生らを中心に構成した吹奏楽団「こもれびウインドオーケストラ」だ。このほど、「ライフポートとよはし」コンサートホールで「第1回定期演奏会」を成功させた。前期活動の集大成として企画し、保護者や地域住民らが会場に詰めかけ、若々しい演奏を堪能した。
公立中学の休日活動制限や練習時間の短縮に伴い「もっと音楽に触れる時間が欲しい」という生徒や保護者らの切実な声を受け、昨年5月、市立青陵中学校と東陵中学校の吹奏楽部員らを中心に発足した。団名の「こもれび」は、青陵中のミカン並木や東陵中のシンボルであるケヤキなど「木」のイメージから着想し、温かい光が差し込むような居場所にしたいという願いを込めたという。
発足時の顧問教諭や地域愛好家、保護者らの指導と協力を得て、自主公演や地域行事への参加を通じ「団員相互の親交を深め、演奏技術の向上を目指す」ことを掲げ、練習を重ねてきた。
初のホール公演となった演奏会では、第1部で吹奏楽の本格的な楽曲やコンクールの課題曲など4曲を、続く第2部では親しみやすい楽曲を演奏し客席を沸かせた。
指揮は団長で元教諭の中村健次さん、指導者兼事務局の水越宣友さんや石田善彦さんが担当。曲紹介や舞台裏の進行を両中の卒業生らが務め、受け付けや写真・映像撮影を保護者が担うなど、周囲の支えに包まれた手作り公演となった。「照明演出が施された本格的なホールでの演奏は、普段の部活動では得られない貴重な舞台経験となりました」と石田さん。
楽団では校区の祭りや防犯講座でのゲスト演奏など、地域に根差した活動を予定しているほか、来年9月には第2回定期演奏会の開催も計画している。
「東三河おとまち文化振興会」などの運営支援も受けており「卒業生が大人になっても関わり続けられるような、50年続く持続可能な地域文化活動に育てていきたい」と石田さんらは話している。
購読残数: / 本
愛知県豊橋市生まれ。大学卒業後、校閲記者として入社。1年後に報道記者に転身した。2020年から報道部長。芸術、福祉、経済・奉仕団体などを担当する。趣味は、かなりジャンルに偏りのある読書と音楽鑑賞。思考のそっくりな一人娘と趣味を共有している。