上海市浦東新区の上海新国際博覧中心で8月19~23日、アジア太平洋地域最大級のペット産業見本市「アジアペット展」が開かれた。17の展示ホールに加え、原料や製造受託などを扱う10の関連展示館と屋外エリアを使い、展示面積は過去最大の32万平方㍍。2600社を超える出展者が集まり、業界関係者や一般の来場者ら数十万人が訪れた。会場では初日だけで2000点を超える新商品が初披露されたという。
猫用の階段付きベッド、犬を乗せる日よけ付きカート、肉や野菜を使い、人の食事と見分けがつかないようなペット用フード。さらに、多頭飼いの家庭向けに猫の顔を識別して餌を出す給餌器、心拍などを測るハーネス、抜け毛を吸い取る空気清浄機まで並ぶ。中国自動車大手BYDや家電大手ハイアールなども参加し、ペット市場は専門企業だけのものではなくなっている。
背景にあるのが、ペットを家族の一員として大切にし、食事や健康などにお金をかける消費傾向だ。「2026年中国ペット業界白書」によれば、2025年の都市部の犬猫関連消費は3126億元(約7兆4000億円)で前年比4・1%増。都市部の犬猫の飼育数の伸びは1・8%にとどまる一方、犬1匹当たりの年間支出は3006元、猫は2085元と過去最高になった。飼い主の約7割を1990年代・2000年代生まれが占める。医療や用品、サービスなど支出先も多岐にわたる。
市場の伸び率は前年の7・5%から鈍った。それでも白書は2028年に4050億元まで拡大すると予測する。市場拡大の軸も、飼育数の増加だけでなく、1匹1匹にどれだけ新たな価値を提供できるかへと広がっている。展示場を歩くと、ペット経済が「飼うための消費」から「共に暮らすための消費」へ変わりつつあることが見えてくる。
購読残数: / 本
週間ランキング
日付で探す