保存修理工事が続けられている豊根村上黒川の国指定重要文化財「熊谷家住宅」の現場見学会が10日にあった。
熊谷家住宅は、かやぶき、入り母屋造り平屋建てで、1700年代前半の建築とされる。江戸時代の生活様式や三河山間部における価値のある民家として、穀倉、新倉と合わせた3棟が1974年に国重要文化財に指定された。かつては酒屋として機能していたが、最後の住人が2021年に亡くなって以降は空き家になって劣化が進み、24年9月には屋根の一部が崩落した。
村外に住む所有者と村との協議や予算措置を経て着手した。現在は建物全体が素屋根で覆われ、作業が進められている。
文化財建造物保存技術協会の春日井道彦さんは「湿度が高いため床下部分は修繕が必要となる」と話した。また床板や、はりには松が使われており「板も大きく、それだけ格式が高い屋敷だろう」と解説した。参加者は、かやが解体されて杉材や竹があらわになった屋根の骨組みを間近で見学した。
村上美恵子さん(75)は「とにかくスケールが大きくて驚いた」と感想を述べた。
春日井さんは「そのまま活用できる部材もある。良好な状態で引き継いでいくための手立てを考えたい」と語った。
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