二日酔い体質が43.9% 持続可能な飲酒文化へ 武蔵精密が体質と労働生産性調査

2026/09/21 00:00(公開)
武蔵精密工業の研究から生成
武蔵精密工業の研究から生成

 豊橋市植田町の自動車部品製造「武蔵精密工業」は、アルコール代謝遺伝子検査キットの展開などを通じて集めた4179件のデータを分析し、働く人の飲酒体質と職場の生産性に関する調査結果をまとめた。アルコール分解に関わる遺伝子「ALDH2」が低活性か非活性で、二日酔いになりやすい体質の人が全体の43・9%に上ることが判明した。自分の感覚だけに頼らず体質を正確に把握し、職場や地域で無理のない新たな飲酒文化をつくることの重要性を提起している。

 

 アルコールの不適切な使用による社会的損失は大きく、厚生労働科学研究の推計(2011年)では年間4兆1483億円に上り、そのうち翌日の仕事のパフォーマンス低下といった労働生産性の損失が1兆9700億円と最大を占めている。また、出勤してはいるものの体調不良により業務効率が落ちる「プレゼンティーイズム(Presenteeism)」は、健康関連総コストの中で最も大きな割合を占めるとされ、飲酒に伴う睡眠不足や集中力低下もその一因と指摘される。

 

 今回分析された4179件のデータは、県内が59・9%(2504件)と大半を占めている。職業別では会社員が70・7%(2954件)、業種別では製造業が45・3%(1895件)を数える。

 

 アルコール分解能力が弱い低活性と非活性の人は全体の約4割で、職場には相当数の「お酒で無理をしやすい体質」の人が存在している実態が浮き彫りとなった。

 

 特筆すべきは、自分の酒の強さを「強い」「やや強い」と認識している901人のうち、6・2%の56人が実際には分解能力の低い体質であった点だ。さらに、週4日以上の頻度で酒を飲む高頻度飲酒者998人のうち、19・3%(193人)が低活性または非活性の体質を持っていた。経験や慣れにより「自分は飲める」と思っていても、体内ではアセトアルデヒドの処理に大きな負担がかかっているケースが少なくない。

 

 特に安全や高い集中力が求められる製造業の現場では、翌日のコンディション低下は事故リスクや生産性低下に関わる重大な課題となる。武蔵精密は、単に飲酒を一律に禁止するのではなく、一人ひとりが自身の体質を知り、翌日のパフォーマンスや周囲への配慮を前提とした「持続可能な飲酒文化」へのアップデートを提言している。また、飲酒シーンを楽しみつつ体調管理と人間関係を両立させる価値観を具体化するブランド「鋼の肝臓 KReTA(クレタ)」の展開を通じて、生活者が前向きに実践できる体験の提供にも挑んでいる。

「持続可能な飲酒文化」へアップデートを!
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山田一晶

1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。

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