豊橋の葦毛湿原に投げ込まれたサギソウ球根 在来種の生育にも影響 市と保護の会が213株除去

2026/10/01 00:00(公開)
発見された外来種の除去作業=豊橋市の葦毛湿原で(いずれも提供)
発見された外来種の除去作業=豊橋市の葦毛湿原で(いずれも提供)

 東海地方を代表する湧水湿地で国天然記念物に指定される豊橋市の「葦毛(いもう)湿原」で、付近の在来種とは違うサギソウの球根が投げ込まれていたことが分かった。市文化財センターによると、その後の開花状況などから球根は今年3月頃に投げ込まれたとみられる。豊橋署に相談し、看板を設置して来場者に注意を呼び掛けるという。

在来種のサギソウ比べ咲き方が密集して不自然な外来種
在来種のサギソウ比べ咲き方が密集して不自然な外来種
除去した外来種の球根
除去した外来種の球根

 センターによると今年7月22日、木道沿いの狭い範囲に集中してサギソウが咲いているのを発見した。自生する個体は数が少なく、集中して開花しないという。似たような開花が8月12日までに5カ所で見つかり、同月内にボランティア「豊橋湿原保護の会」と計213株を取り除いた。

 

 葦毛湿原は約3万2684平方㍍が2021年10月、国天然記念物に指定された。サギソウはラン科の多年草で観賞用としても多く栽培されている。葦毛湿原も自生地で知られ、7~8月にシラサギが翼を広げたような白い花を咲かせる。

 

 指定地外から植物を持ち込む行為は天然記念物の「き損」などで文化財保護法に触れる。在来種のサギソウは栽培種と交雑しやすく、遺伝子汚染で固有種が絶滅したと判断される恐れもある。

 

過去にも同じ被害で署へ相談 注意喚起の看板設置も検討

 

 同様の被害は過去にもあり、20年4月にサギソウの球根1232個が投げ込まれ、昨年8月にも確認された。ほか22年8月にコオニユリ、今年4月にハルリンドウも盗掘被害に遭った。市は豊橋署に相談し、注意喚起の看板設置も検討する。

 

 文化財センター担当者は「6年前の最初の被害とは違い、近年は球根の投げ込み場所は見通しの悪い土の上になった。生育や栽培方法を熟知した手口だ」と指摘する。

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加藤広宣

愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。

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