明けましておめでとうございます。読者の皆さまには新年も幸多い年になることをお祈り申し上げます。
昨年は東日本大震災の義援金に関わる不祥事で読者をはじめとする多く皆さまにご迷惑とご心配をお掛けしました。改めておわびいたします。
深く反省し、新聞の信頼回復を第一に経営体制の刷新や紙面改革を進めてまいりました。新しい年もこの姿勢を貫いて行くことを初日に手を合わせながら決意しています。
幸い多くの皆さまから、「地元紙は絶対必要」「なくてはならないもの」という応援と支援は大きく、力づけられています。これに甘えることなく厳しく自らを律して、地域紙づくりにまい進する決意を新たにしております。
<吾輩の主義とする所は、一身一家の独立より之を拡めて一国の独立に及ぼさんとするの精神にて、苟(いやしく)も此精神に戻らざるものなれば……其相手を選ばず、一切友として之を助け、之に反すると認る者は、亦其相手を問わず、一切敵として之を擯(しりぞ)けんのみ>
これは明治15年、日刊紙「時事新報」の発刊に際して福澤諭吉が書いたとされる「独立不覇(は)、不偏不党」の宣言文です。
東三河に生きるものとして「一国の独立」を「東三河の発展」と読み替えれば、地域社会のあらゆる分野について伝え、論じていく勇気と覚悟の大切さを教えられます。福澤の唱える「精神」があれば、読者に支えられて地域紙は死ぬことはないと信じています。
ネット社会ですが、ネットと新聞はまったく違った性格の存在なのです。
明治32年に地域初の日刊紙「参陽新報」が発刊されて以降、東三河では数多くの地域紙が発行され続けてきました。地域の誇りであります。先輩たちが築いてきた新聞発行の伝統を引き継ぎ、自由な言論による郷土の活性化と進展に貢献するために新聞倫理綱領に従って公器としての使命を果たしていくことを改めて決意しています。
不祥事によって日本新聞協会から下された会員資格停止処分が2月には解除されることになっています。この処分解除をもう一つの節目として「なくてはならない地域紙」の使命達成に向けて一層精進していくことをお誓い申し上げます。
今年の初日はことのほか大きく、まぶしいものがあります。地球に無限のエネルギーという恵みを与えてくれる太陽に手を合わせた後、背に明るく暖かな日ざしを浴び、そのぬくもりに励まされて我が歩みを確かなものにしていく覚悟です。重ねてご理解とご協力をお願いする次第です。
(代表取締役 本多 亮)