サンマの季節。いつもの行きつけの店で一杯やり、常連客とカラオケで盛り上がっていたら、飲み友達の建設コンサルタント会社会長から突然の電話があった。「なじみの小料理店で飲んでいるが、脂の乗ったうまいサンマがある。今から焼いて持って行く」という。
サンマの塩焼きはボクの大好物。固い頭は食べないが、それ以外は中骨も内臓も残らず食べる。おこぼれを待っている猫が気を悪くするほどだ。それを覚えていてくれたらしい。
今年は当初、サンマが豊漁といわれたが、その後、平年並みと判明。物価高騰の余波を受けて値段も高い。わが家でも先日、スーパーで購入したサンマの塩焼きが食卓に乗ったが、痩せて貧相だった。脂の乗ったうまいサンマなら、ぜひ賞味したい。
だが、この時は周りに常連客が数人おり、まさか自分一人だけ味わうわけにも行かず、涙をのんで辞退した。
すると数日後、再び会長から電話。だが、この日もたまたま携帯電話を家に置き忘れて外出しており、着信に気づいた時は真夜中。またしても食べ損ねた。
どうやら今年は、うまいサンマに縁が薄いらしい。林芙美子の「放浪記」を歌った村上幸子の同題の歌の一節が頭に浮かんだ。
「束ねた髪に ほこりをためて 一皿五銭の菜を買う…青い 青い秋刀魚(さんま)の目に泪」
購読残数: / 本
日付で探す
ピックアップ記事
豊橋市中央図書館「司文庫」50周年の記念展 半世紀超え貴重な洋書紹介 三代目JSB山下健二郎さんらが振り付け指導 「ランニングマン」実演に歓声 フェニックスが2日から昨季王者の広島戦、CSのリベンジなるか フェニックス、A東京とのホーム開幕戦飾れず 立ち上がりに課題 書道家の浜野さんが7日から南米へ連載・特集
【釣りナビ】伊良湖沖でマダイ、タチウオ 【柳双魚の釣ったり釣られたり】秋刀魚の目に泪 【豊橋市長選】次期候補に臨むまちの声〈下〉 【豊橋市長選】次期市長に望む「まちの声」〈上〉 【豊橋市長選】主要候補の主張〈下〉安心安全なまちづくりの施策は?