豊橋市文化財センターは、吉田城の石垣解体修復工事に伴う調査で、本丸北側「北多門」の石垣規模が分かったと発表した。江戸時代に改修した石垣の下から、戦国時代末の土塁が見つかった。一部のり面は表面補修でかぶせたと判明。江戸初期の完成形に至る変遷が分かる。11月2日に現地説明会を開く。
豊川(とよがわ)に面した北多門の東側石垣での調査で分かった。西側は江戸時代に池田輝政が築いた鉄櫓(くろがねやぐら)と石垣がある。
石垣下の土塁は、土器が大量に埋まる焼土層と本丸造成時の土を盛った遺構を確認した。昨年度に発掘調査した南多門の石垣と同じ遺構だったことから、土塁の可能性が高いとしている。北側斜面には最下層の「腰巻」と最上部の「鉢巻」と呼ばれる石垣が積まれ、中間層は土をかぶせたのり面だった。
解体調査では内部に石垣を構成する「栗石」があり、江戸時代後期の地震で崩れた際、表面補修したと考えている。さらに石垣は、高さ15㍍の高石垣で最大幅7㍍、北多門から東側へ約25㍍伸びていたとみている。
担当する寺井崇浩学芸員は「異なる層が積み重なり、時代ごとに城の状態が変わるのがよくわかる」と説明する。
吉田城跡の石垣修復事業は2021~25年度までの計画。
現地説明会は2日午前10時と午後1時半から。雨天中止の場合は美術博物館ウェブサイトで発表する。問い合わせは市文化財センター(0532・56・6060)へ。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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