【連載】乾く水がめ〈7〉 水不足でキクラゲ生産がピンチ

2026/03/12 00:00(公開)
キクラゲの菌床をバケツに入れ水を含ませる喚田さん
キクラゲの菌床をバケツに入れ水を含ませる喚田さん

 30年ぶりとなる豊川用水の異常渇水。冬季の水不足は、解消が見通せないでいる。影響を受ける現場から報告する。

 

【第1回】土壌乾燥でキャベツに忍び寄る異変 農家が語る現状と広がる危惧

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【第4回】消火栓での放水訓練自粛 対応に追われる東三河の消防当局

【第5回】語り継がれる「雨乞い」伝説 水を求めた先人たちの祈り

【第6回】スポーツ拠点に広がる影響 さらなる制限への覚悟も

【第7回】水不足でキクラゲ生産がピンチ

 

 豊川市の就労継続支援B型施設「グリーンフィールド」のキクラゲを育てるハウスが水不足に陥り、関係者が対応に苦慮している。使っていた井戸水が枯れ、生産停止に追い込まれている。

 

 キクラゲの妖精「けっぴー」として知られる喚田恵子さん(47)が役員を務めている。施設では市内の2カ所にハウスを持つ。うち237平方㍍のハウスの井戸が2月2日に枯れ、水が出なくなった。今は菌床を1日1回バケツの水につけ、延命している状態に追い込まれている。菌床は5000個を超えており、この作業だけでも時間がかかる。

 

 キクラゲを育てるためには大量の水が必要だ。以前は1日7回、スプリンクラーを使い決まった時間に自動で散水していた。1日で4~5㌧の水が必要だったという。

 

 キクラゲは夏に育つが、冬に育てるには暖房が必要になる。暖房を入れながら育てる作業は、菌床が乾燥してしまうため、何回もバケツに入れて水を含ませる必要があり、とても今の人数ではできない。生産を諦めた。暖房を止め、菌床が枯れないようにするためだけで精いっぱいの状況が続いている。

 

 生産停止で売り上げが大きく減った。少しでもカバーしようと、自宅でキクラゲを育てることができる栽培キットとして、菌床を一つ1000円で販売している。

 

 農業用水を使えるようにしたが、スプリンクラーにつなげるには設備投資が必要という。また農業用水と水道水は同じ水のため、「命の水は、キクラゲ生産に使えない」と判断している。

 

 喚田さんは「売り上げが大きく減り、自分の貯金を会社に貸して急場をしのいでいる状況。施設で頑張る皆さんのためにも雨が降り、水不足が解消してほしい」と話す。

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竹下貴信

1973年生まれ、豊川市出身。建設業界に勤務後、96年に入社。2022年から豊川市を担当している。趣味は美術館巡り。ポッドキャストでラジオを聞くのも好きで、さまざまな番組を楽しんでいる。

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