水不足に悩まされる東三河地域の消防当局は、対応を迫られている。消火栓での放水訓練を自粛し、河川や池などの自然水利に加え、工業用水や処理水を活用した代替策を採用している。
豊橋市消防本部は、節水率の引き上げを受け、1月下旬から各消防団に車両清掃の自粛などを指示した。今月上旬の研修では、消火栓での訓練を貯水槽からの吸い上げに切り替えた。現場では消火栓を主とするが、少量の水で消火できる泡消火や地下水の利用も進めている。
第1方面隊の田中健太郎隊長(45)は「消火栓が使えない事態を想定し、どう工夫して水を確保するかを考える良い経験になった」と前向きに話す。今月下旬には、訓練で下水処理場の処理水をミキサー車で運搬する手法を確認した。さらにドローン飛行隊による上空からの情報を共有し、活動の効率化を図っている。
市消防本部総務課の長坂規弘さん(52)は「水不足のなか、火災予防の広報に力を入れたい」と話し、民間事業所への協力要請などを急ぐ。
豊川市でも昨年12月から消火栓を用いた訓練を中止している。現在、消防職員は自然水利の活用を見据え、市内290カ所の池や川の調査に取り組んでいる。市消防本部警防担当の遠藤浩志さん(49)は「事前の調査がいざという時に重要だ」と強調する。
新城市も水道水を使う訓練を自粛している。毎週のポンプ機能点検では、防火水槽などの貯水を利用するほか、車両や機材の洗浄も制限している。
蒲郡市は防火水槽が使用可能なため活動への影響はないとするが、断水時は河川や海水の利用を想定。田原市も支障はないものの、訓練を縮小して使用水量を抑制しており、同様に海水の活用を検討している。
深刻な水不足に追い打ちをかけるように、火災も急増している。今年に入ってからの火災発生件数は豊橋市が22件、新城市が9件だった。また、豊川市では1月だけで15件発生し、前年同月と比べて8件増えている。
いずれの市でも多くが野焼きや、たき火からの延焼だった。豊橋市消防本部は、4月施行の市火災予防条例の一部改正(林野火災予防)などを通じ、さらなる注意喚起を強める。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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