「第13回ふれあいハーモニカ音楽会」が豊橋市総合福祉センター「あいトピア」で開かれた。市内の久曽神まつ枝さんが講師を務める「穂の国ハーモニカファミリー」が主催。「穂の国たのしいハーモニカ」の豊橋と田原の13人と、視覚障害者らでつくる「あいMハーモニカクラブ」の9人が出演した。
コンサートは年1回開催している。3部構成で、出演者による歌謡曲やクラシック曲などの合奏や独奏、懐かしのアニメ楽曲の演奏などが次々と披露された。また、ゲストに「うたは友だち」を迎え、美しい歌声やピアノ演奏を響かせた。
今回、「穂の国たのしいハーモニカ豊橋」から手足が不自由な豊川市在住の岡本光紘さんが、複音ハーモニカを2本駆使して難曲「パッヘルベルのカノン」の独奏を披露。伸びやかな音色を響かせ、会場を深い感動で包んだ。この曲の演奏は、昨年の名古屋市、今年4月の川崎市でのコンサートに続き3回目で、豊橋では初お披露目となった。
岡本さんは子ども好きで保育士になる夢を持っていた。テレビの人気ドラマの中で、学童の指導員がハーモニカを吹き、その周囲で子どもたちが楽しそうに歌う姿を見て「自分もこういうことがやりたい」と一念発起し、7年前に「穂の国」に入った。手を使わずに演奏するため、久曽神さんと一緒に模索を続け、クラブの仲間たちも協力して支えたという。
これまでは童謡や唱歌を選曲していたが、今回は初めてクラシックに挑戦した。長調と短調の2本のハーモニカを車椅子から伸びるホルダーに上下に固定し、首を動かしながら音を吹き分ける。楽譜はめくれないため、すべて暗記した。
アルバイトの傍ら、自宅でもコツコツと練習に励んだ。「メロディーが途切れないよう、頭を上下に動かすのに苦労した」と言い、本番では、堂々としたたたずまいで優美なメロディーを紡ぎ出し、客席から大きな拍手が送られた。
岡本さんは「とても難しかったけれど、やりとげられてとてもうれしい」と語った。久曽神さんは「誰が演奏しても難しい曲。障害があっても挑戦し続ける姿を多くの方に知っていただきたい」と話す。岡本さんは「今後は『天国と地獄』などにもチャレンジしたい」と意欲を見せていた。
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愛知県豊橋市生まれ。大学卒業後、校閲記者として入社。1年後に報道記者に転身した。2020年から報道部長。芸術、福祉、経済・奉仕団体などを担当する。趣味は、かなりジャンルに偏りのある読書と音楽鑑賞。思考のそっくりな一人娘と趣味を共有している。
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