30年ぶりとなる豊川用水の異常渇水。冬季の水不足は、解消が見通せないでいる。影響を受ける現場から報告する。
豊川用水の水不足が深刻化する中、豊橋市の「豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)」では、豊富な地下水と下水の再利用システムにより、上水道への依存を抑えた運用が功を奏している。
園の生命線は地下水だ。敷地内に点在する計6カ所の井戸から、昨年4月から今年1月までの10カ月間で計60万7247立方㍍をくみ上げた。月平均5万~6万立方㍍を安定して確保し、動物の飲料水や飼育管理、植物への水やりに活用する。特に西門周辺の井戸が全体の半数以上を賄っている。カバの池に蓄えられた水も、すべて地下水だ。
一方、園内の処理場を通じた再利用水は、トイレの洗浄水や車両の清掃、噴水などに充てている。一度使用した水を浄化して再び循環させるシステムで、10カ月で11万8131立方㍍を再利用した。
処理水量に対する再利用率は約49%。月間の処理水は冬から春にかけて2万4000立方㍍前後で推移し、夏季の7月(2万4795立方㍍)や、行楽シーズンの10月(2万4769立方㍍)にピークを迎える。噴水は冬の閑散期、落ち葉などが詰まる原因になるため、ほとんどの場所で停止している。
来場者が利用する手洗い場など、衛生面が重視される箇所には水道水を供給する。園の担当者によると、地下水、再利用水、水道水の3系統があり、用途に応じて使い分けているという。
現状について担当者は「今のところ大きな影響は出ていない」と話すが、冬場の深刻な渇水には驚きを隠せない。頼みの地下水も、雨不足が長引けば水位低下や枯渇のリスクをはらむ。水がない状態でポンプを動かし続ける「空運転」は故障の原因になるため、「無理にくみ上げればポンプを傷める。水位の変動を慎重に注視していきたい」と語った。
浜松市から訪れた20代男性は「これほど徹底して水を管理しているとは知らなかった」と感心した様子で話した。
また、東三河で生き物を扱う他施設でも、対策や影響の有無が分かれている。豊川市市田町の赤塚山公園にある淡水魚水族館「ぎょぎょランド」は、地下水を使用しているため飼育への影響は出ていないが、園内の噴水は休止している。
2024年にリニューアルした蒲郡市の竹島水族館は、展示をほとんど海水魚に切り替えたことで、今回の水不足による直接的な影響はないとしている。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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