【高校サッカー男子】「一人ひとりが主役」豊川、初の頂点へ 6月6日インターハイ県予選決勝で東邦と激突

2026/06/05 00:00(公開)
就任4年目の長谷川監督(いずれも提供)
就任4年目の長谷川監督(いずれも提供)

 全国高校総体(インターハイ)男子サッカー県予選の決勝が、名古屋市港区の「CSアセット港サッカー場」で6日午前11時から行われる。初の頂点を狙う豊川と、名門の東邦が全国への切符を懸けて激突する。

 

 豊川を率いるのは、山梨学院を2020年度の全国選手権優勝に導いた実績を持つ長谷川大監督(53)だ。同校での講演やサッカークリニックの講師を務めた縁から、23年4月に豊川の監督に就任した。当時、チームは県リーグ4部に沈んでいたが「東三河に受け皿となる強いチームがないと、良い選手が県外に出てしまう。一から強くなることにはロマンがある」と就任を決断した。

 

 当初、クラブチーム全盛の中、2~3年生は地元中学の部活動出身者が多く、控えだった子も。勝利に飢え、競技への熱量にばらつきがあった選手たちに対し、今ある文化を尊重しつつ、自ら考えさせる指導を始めた。あいさつなど日ごろの振る舞いを重視させ、強豪校との練習試合を通じて自発性を引き出した。長谷川監督は「勝ったことがない子たちに本気で『勝ちたい』と思わせるには、全力で取り組ませたうえで、強豪に一歩届かないと痛感する瞬間をつくることがスタートだった」と振り返る。

 

 長谷川監督の就任に戸惑いを隠せない選手や保護者も多かったが、1年目の選手権県大会で過去最高タイの8強入り。これを機に選手も周囲も「自分たちもできる」と手応えをつかみ、チームは一気に加速した。翌年には県新人大会で準優勝、県総体3位、選手権県大会8強と強豪校へと成長した。

 

 「今年の選手たちは、自分がスカウティングから関わった年代。一人ひとりに色があり、全員が主役です。主力も控えも、それぞれ輝ける場所があるのがうちの特徴」と長谷川監督。その言葉通り、3対0で快勝した至学館との県予選準決勝では、ハードワークと個性が光る試合展開を見せた。序盤から激しい攻防が続き、前半に鈴木暖人選手(2年)が鮮やかな先制ゴールを決めると、後半は至学館の反撃を粘り強い守備でしのぎつつ、指揮官が「奇跡を起こすタイプ」と評する得納隼仁選手(3年)が鋭い仕掛けから豪快な追加点。さらに終了間際、前線からの連動したプレスからチャンスを作ると「地道に努力を続けるからこそ幸運が訪れる」と評価する永田真寛選手(同)が、泥臭く駄目押しの3点目を挙げ、試合を決めた。

 

「東邦には絶対負けられん」 幼なじみ対決へ

 

 主将は長谷川監督が「自分の言葉や気持ちを乗せて伝えられる」と信頼を寄せる石原琉翔選手(3年)。決勝で対戦する東邦の上野泰志主将(同)とは、クラブチーム「ASラランジャ豊川」で育った幼なじみ。石原選手は「リーグ戦で東邦とやる時も、『泰志のいる東邦には絶対負けられん』とチームメートと話していた。大切な仲間だけれど、今はライバルの泰志に絶対勝ちたい」と闘志を燃やす。

 

 チームのスローガンは、人としても組織としても成長し、一人ひとりが主役として輝く「真の日本一」。指揮官の信頼を胸に、個性豊かな選手たちが歴史をつくる。

 

石原主将
石原主将
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北川壱暉

 1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。

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