豊橋市名誉市民で丸善相談役だった司忠氏(1893~1986年)の寄付で開設された「司文庫」の50周年を記念する企画展が、市中央図書館で始まった。「洋書の宝箱、半世紀を超えて」と題し、洋書古典や美術書を中心とした貴重本など例年よりも数多くのコレクションを紹介する。12月8日まで。
司氏は安久美神戸神明社(同市八町通3)の家の生まれ。06年に13歳で見習いで丸善に入社後、名古屋支店長や本社支配人などを経て、戦後の47年に社長。取締役となった40年には「豊橋鬼祭」で赤鬼と鼻高の各面を奉納した。
73年に80歳記念で寄付された3000万円を元に市が司文庫を開設。この功績で75年に豊橋文化賞を受賞した。さらに86年の死去後、遺族が寄付した1億円で司文庫基金もできた。
節目の企画展では3万5000冊ある文庫蔵書から貴重本を含む130点を紹介する。「月と六ペンス」の文豪サマセット・モームや、英国首相も務めたハロルド・マクミランが来日した際に司氏に贈ったサイン本なども並ぶ。
ほか、1853年に浦賀へ入港した米国提督ペリーの「日本遠征記」などの初版本や、シーボルトの長崎での滞在記「Nippon」の復刻版など入手困難な古典も展示されている。基金の収益で購入した洋書を紹介するコーナーには、葛飾北斎の富岳三十六景「神奈川沖浪裏」の飛び出す絵本などもある。
26日には文庫開設記念講座で「人間司忠と美術コレクションの魅力」と題し、市美術博物館へ寄贈された陶磁器や絵画などを紹介する。申し込みは22日まで。問い合わせは図書館(0532・31・3131)へ。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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