豊橋商工会議所の神野吾郎会頭は11日の定例記者会見で、豊橋公園の新アリーナ関連工事が長期間滞っている状況について「時間と税金の無駄使い」と懸念を示した。契約解除を掲げる長坂尚登市長と、計画推進の議会多数派とでかみ合わない議論が続く状況に「早く方向性を示すべきだ」と警鐘を鳴らした。
新アリーナを巡っては長坂市長の就任後、昨年11月21日に工事の中断を事業者の「豊橋ネクストパーク」へ申し入れた。事業者側も再開に備えて工事事務所の人員や建設機材は維持したままだ。維持費は日増しに積み重なっているという。
一方、長坂市長は市議会3月定例会で示した一般会計当初予算にはアリーナ関連事業費は盛り込まれず、予算組み替えを動議。市は新年度の補正予算で球場解体撤去などの費用を計上したが執行時期は未定としている。
こうした状況に神野会頭は「計画中止か継続かの見通しもなく、現場周辺は4カ月近く放置されたままだ。民間企業からみればこの時間とお金の使い方はありえない」と違和感を示した。
中断された工事現場については「人件費を含む維持費は1日数十万円では収まらない。この補償だけでも数億円単位に上るはずだ」と述べた。
この間、12月と1月の議会では契約解除を議決事項とする条例改正案が可決。議会での再議での再可決に続き、知事審査の申し立ては3月末に却下。今後は司法判断を求め提訴も視野に入る。
さらに、市長選の法定ビラを巡る市の調査委員会、組み替え動議に伴うアリーナ事業費を盛った補正予算提案など新たな対応が増え続けた。補正予算は可決したが執行の見通しが立たっていない。
こうした状況に神野会頭は「事業の可否を放置した状態を長引かせただけだ。時間と税金を著しく無駄使いしている。市長と市幹部、議会は臨時会を開いてでも、事態解決へ向け前に進めるべきだ」と早急な対応を求めた。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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