東三河を代表する魚市場である豊橋魚市場をご紹介します。
豊橋魚市場は、1879(明治12)年創業の老舗で、地元伊良湖や三河湾の活魚全般を扱うほか、近隣都市から特色がある冷凍魚を仕入れており、特に、蒲郡市のエビ加工業者との結びつきが深いことから、冷凍エビの扱いが多い。
また、場内には鮮魚などの生鮮食品を中心とした販売店が20店舗以上あり、地元を中心に多くの一般客からも親しまれている。定期的に開催する「魚河岸お客様感謝DAY」は、豪華な景品やお値打ち価格での買い物ができることで知られ、遠くからも多くの来客がある一大イベントである。
2024年8月に堀江雄太氏が代表取締役に就任し、今年3月からは社内新体制となって新たなスタートを切っており、今後の動向にも注目が集まる。
近年の食品業界は、一次生産者から仲介業者を介さずに直接小売店や料理店へ流通するルートも増えており、以前と比べて魚市場の経営はより困難となっている。そうしたなか、食品を含めてあらゆるモノの物価高が進行していることは印象深く、足元では主食である米の高騰が大きく問題視されている。その要因は複雑だが、価格相場の安定化や、供給量の安定調整など、仲介市場が果たしている役割や価値が再度見直される機会になるのではないかと、個人的には強く感じている。
家庭の食卓や、地元の飲食店で、引き続き安定して魚介料理を楽しむことができるよう、当社の今後の事業展開に注目していきたい。
(帝国データバンク豊橋支店主任 鵜飼亘)
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