蒲郡ホテル、中国人観光客キャンセル報道後に中傷の電話多数 竹内社長「仕事どころではない」

2025/11/29 00:00(公開)
話題となった蒲郡ホテル

 中国人団体旅行客のキャンセルが相次いでいると報道された蒲郡市の「蒲郡ホテル」に、匿名の中傷の電話が殺到した。竹内恵子社長(71)は「仕事どころではない」と困惑している。

 

 蒲郡ホテルは、中国政府の渡航自粛要請を受けた2000人以上の中国人観光客からのキャンセルが発生した。中には「キャンセル料は免除してほしい」と泣きつく人もいた。

 

 東愛知新聞はこの苦境を今月24日に報道。その後、大手民放でも「損失額2000万円」などと数字を強調して取り上げられたほか、数十社が取材に訪れ、欧州のメディアからも電話がかかってきたという。

 

 だが、竹内社長は「数字が独り歩きした」と話す。公式X(エックス)では「一部団体予約のキャンセルは発生しておりますが、営業および経営については通常通り、安定して運営を続けております」と説明している。2012年の尖閣諸島問題など、過去にも同様の事態が起きており今回の件も「想定の範囲内」だという。「当館の宿泊予約は中国からの団体客に依存しておらず、今後も特定の国に過度に依存しない健全な経営体制を維持する」と強調した。

 

 ところが、報道を見た匿名の人々から「中国人の宿泊を受けては駄目だ」「そこまでして金もうけをするのか」などという非難の電話が止まらない。竹内社長は「観光業は仕入れ業者や近隣の飲食店など、自分たちだけの問題ではないと感じ、取材を受けた。誰も話したがらないが、実態をありのままに伝えたかった」と語った。

 

 声明文発表後、Xの声明は28日現在で43万回閲覧され、5665のいいねがついている。「また泊まりに行きます」「頑張ってください」といった好意的なコメントが多く寄せられるようになり「良かったと感じた」と話す。

 

 今後の戦略として、シンガポールなど東南アジアの需要拡大を目指す。ホテルは約30年前から国内旅行者対象の近隣宿泊施設に先んじて、中国人観光客にアプローチしてきた。社長自ら現地に足を運んで、旅行会社らと関係を築いている。「今後も前向きに足で稼いで頑張っていきたい」と話した。

発表された声明文
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北川壱暉

 1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。

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