【ムエタイ】「高校通わず格闘技一本」 豊橋の高山敦さん、退路を断ち世界王者を目指す

2026/03/14 00:00(公開)
世界王者を目指す高山さん=ストライキングジムアレスで
世界王者を目指す高山さん=ストライキングジムアレスで

 キックボクシングの源流で、パンチやキックに加え、肘や膝、首相撲も駆使するタイの国技「ムエタイ」。この立ち技系格闘技で、豊橋市出身の高山敦さん(17)=ストライキングジムアレス=が、高校には進学せずに競技一本で世界の頂点を目指して日々鍛錬を重ねている。15日に豊川市で開かれるムエタイ大会「SUPER MUAY」で「トリ」を務めるほか、6月23日にはタイ政府公認のトーナメント「スックワンキントーン」決勝という大一番を控える。

 

武尊さんの「倒すか倒されるか」の迫力に導かれ

 

 格闘技との出合いは小学生の頃。偶然スマートフォンで見た元K1世界3階級制覇王者、武尊さんの試合が運命を変えた。「倒されるか倒すかという迫力に魅了された」と振り返る。小学6年でジムに入り、中学進学を機にタイ人のトレーナーから本格的にムエタイを学び始めた。

 

 高山さんを強く引きつけたのは、ムエタイの奥深さだ。「キックボクシングとは蹴り方や膝蹴りなど全てが別物。攻撃だけでなく、ディフェンスの技術だけでも何十種類もある」と語る。特に「ミドルキック」は練習を重ねた武器の一つ。「膝を横に寝かせて蹴り、軸足のかかとを相手に向ける独特のフォームは習得が難しいが、パンチよりも重く、見た目も美しい」と練習を重ね、今では決め技の一つになった。

 

 転機は高校受験の失敗だった。通信制高校に通うか、それとも競技一本でやっていくか。「自分には格闘技しかないと覚悟を決めた」。両親に相談し、「もう一回考え直そう」と言われても高山さんの意志は揺るがない。かつては気の弱い性格だったが、ジムでの練習を通じて自分の意見を貫けるようになった。「初めて親に反抗した」と苦笑する。今では猛練習に励む息子を誰よりも応援し、一番の理解者となった。

 

 午前9時半に自宅を出て4㌔のランニングから始まり、午後10時半まで練習を繰り返す。夕方には子どもたちの指導も行う。「同年代が青春を楽しんでいる姿を見て不安がよぎることもあるが、自分はリングで結果を残すためにここにいる。不安を練習への原動力に変えている」と言い切る。

 

 昨年4月には「KNOCK OUT」アマチュア55㌔級で優勝。ジムの安田在植代表は「覚悟を決めて努力した成果が出た。今後の成長が楽しみ」と期待を寄せる。一方、同8月にタイの格闘技の聖地「ラジャダムナン・スタジアム」で開かれた海外の大会で、強豪選手に勝利したが、スタミナ面に課題を残した。普段は3ラウンドだが、5ラウンドを体験した。「後半はとてもしんどかった。100%やりたいことが出せなかった」と悔しさをにじませた。

 

 高山さんの目標は世界最高峰「ONE Championship」での王座だ。相手の動きを見ながらカウンターを狙う戦術を得意とする。「もっと技術を磨きたい。攻撃をもらわずに相手を完封するスタイルが理想。格闘技界の象徴的な存在になりたい」と挑戦は続く。

 

豊川で「トリ」を務める大一番 3月15日開催「SUPER MUAY」に高山さん登場

 

 「SUPER MUAY JAPAN 2026」は15日、豊川市御津体育館で開かれる。午後0時半開場、同1時開始。前売りチケットはRS席1万円(当日券1万2000円)、A席6000円(同7000円)。問い合わせは安田さん(0533・95・0056)へ。

力強いキックが武器の一つ
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北川壱暉

 1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。

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