電照菊ツアーが人気観光資源に 「価値」を可視化し6次化成功へ 田原市の渡会さん親子が愛大で講義

2026/06/10 01:00(公開)
6次産業化の取り組みについて講義する渡会さん親子=豊橋市の愛知大学で
6次産業化の取り組みについて講義する渡会さん親子=豊橋市の愛知大学で

 田原市で菊農家を営む渡会理史さん(48)と長女で私立桜丘高校3年の桃音さん(17)が9日、豊橋市の愛知大学豊橋キャンパスであった「6次産業化論」で特別講義した。6次化成功の鍵を握る「農業の価値の伝え方」がテーマ。渡会さんが取り組む「電照菊ナイトツアー」や地域との関わりを通じて分かった農家のあり方を示した。

10年前に始めた電照菊ナイトツアー=田原市堀切町で(提供)
10年前に始めた電照菊ナイトツアー=田原市堀切町で(提供)

 地域政策学部の藤井吉隆教授が開く講座で約110人が聴講した。渡会さんとは、耕作放棄された園芸施設に関する田原市内での実態調査を通じて知り合った。

 

 渡会さんが2016年から取り組むナイトツアーは夜間に電照栽培のハウスを訪ね、花の生産現場を見学できる。メロン狩りなどと並ぶ市内の人気体験型観光の一つに成長し、現在は市の関連企画と連携している。

 

 大人1人の参加料3500円は採算性を踏まえた設定だが、当初は周囲から高額ではとの指摘も受けたという。

 

 渡会さんは「野菜などの農産物は顔の見える販売手法で価値も高められる。花も生産者の思いや栽培過程などを可視化できると考えた。現場を訪れた消費者に直接伝えられるのがナイトツアーのいいところだ。価値は伝えなければ存在しないのも同然だ」と説いた。

 

 さらに今後の農業経営者に求められる三つの力として「発信力」「経営感覚」「共創力」を挙げた。SNSよりホームページでの発信を重視する点について「更新の負担が少なく、AIが学習しやすいことで検索性を高められる。影響力が高い事業者やメディアにも届きやすい」と述べた。

 

 地域との関わりにも積極的で「渥美半島うルトラネイチャーラン」の実行委員として、全国からの参加者や地元ボランティアらの交流人口増加へつなげる取り組みなども紹介した。

 

 桃音さんは家業の手伝いの一環でナイトツアーに関わった体験談を披露した。参加者が景色に感動するのを見て「地域の価値は、外の人との関わりでも築けると実感した」と語った。卒業後は市外の大学へ進みたいという桃根さん。「地元を客観視できるようになり、市内で地域に関わる仕事をしたい」と述べた。

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加藤広宣

愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。

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