広島市中区のウェブコンサルティング「レクリエ」は、先月発表された豊橋市の「市制施行120周年記念ロゴマーク」の公募で、同社の画像コンプライアンスリスク低減ツール「ガードアップPRO」が採用されたと発表した。国内自治体では初の取り組み。生成AIの普及などで課題となっている既存作品との類似や無断転載のリスクを技術的に排除し、選考の公正性を担保する狙いだ。
自治体などのロゴ公募では、採用後に既存作品との酷似や盗用が発覚し、取り消しや訴訟に発展するケースが散見される。特に近年は生成AIの利用拡大により、意図せずとも既存画像に似てしまうリスクが高まっており、権利関係の確認作業が複雑化していた。
今回導入された「ガードアップPRO」は、応募作品をウェブ上の膨大な画像データと照合し、同一または類似性の高い画像を自動で検出する。出所URLや公開日などの情報もレポート化されるため、これまで目視に頼っていたチェック作業の大幅な効率化と、客観的な基準による審査が可能となった。
同社の檜垣嘉孝社長は「公共性の高い事業の運用に寄与でき光栄だ。テクノロジーの力でトラブルを未然に防ぎ、正しく評価される作品が報われる環境を作っていきたい」とコメントした。
豊橋市の記念ロゴ公募は8月に行われた。市内外から242点の応募があり、全職員を対象にした投票で20作品まで絞った後、長坂尚登市長をはじめ庁内の関係部長らで構成する120周年記念事業推進会議委員による投票の結果、長崎市の草柳敬一さんの作品がグランプリに選ばれた。
購読残数: / 本
1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。
週間ランキング
日付で探す