【前編】ガマラブフェス回想|蒲郡らしい衣装制作に奔走 プロジェクトメンバー田中さん

2025/11/28 00:00(公開)
当時を振り返る田中さん=蒲郡市役所で
当時を振り返る田中さん=蒲郡市役所で

 蒲郡市の繊維産業を全国にPRするプロジェクトの集大成として竹島園地で開かれたファッションイベント「GAMA LOVE FES(ガマラブフェス)」(11月1日)。プロジェクトに携わった市内の繊維関連会社に勤める若手社員32人が、三河繊維を用いた全12スタイルの衣装を披露した。そのメンバーの一人、田中杏実さん(26)がプロジェクトを振り返りつつ、制作に込めた思いや三河繊維の魅力などを語った。

 

 プロジェクトは2023年、市と「東京ガールズコレクション(TGC)」の企画・制作する「W TOKYO」(本社、東京都)との地方創生に関する連携協定事業の一環として始まった。これは、3カ年を通してTGCで地場産業の繊維を全国に広く発信するとともに、ガマラブフェスで市民にもPRする目的で企画された。

 

 同年、市内の繊維関連会社で働く若手社員によるプロジェクトメンバーが立ち上がった。田中さんは「愛知で自分のアパレルの店を持ちたい」という夢をかなえるため、東京のアパレル商社を辞め、地元蒲郡へ。市内の繊維会社に勤める中、今回のプロジェクトを知り「地元を盛り上げたい」とメンバーに加わった。

 

課題成功に向け話し合うメンバー(提供)
課題成功に向け話し合うメンバー(提供)

「アパレル知識ゼロ」からの挑戦

 

 プロジェクト最初の課題は、三河繊維を採り入れた衣装を、埼玉県の「さいたまスーパーアリーナ」で開かれたTGCのステージ(24年)で披露することだった。3チームに分かれての衣装制作が始まり、田中さんはチームリーダーの一人を務めた。

 

 メンバーの多くは蒲郡の主な繊維産業であるインテリア製品や寝具などの会社に所属。アパレル業界の知識がなかった。また、衣装の基盤となるものもなく、メンバーの意見を集約し若者の心に刺さる衣装にするのに苦労した。「ゼロからスタートする難しさを実感した」と振り返った。

 

 困難が立ちはだかる中でも、成功に向けて毎週集まり、蒲郡らしい要素を取り入れた衣装のデザイン案を考えたり、デザインを形にする専門職「パタンナー」に、染め方などの質問を重ねて衣装を仕上げていくために話し合ったりして、制作に励んだ。

 

 9月7日、埼玉でのTGCステージの一つ「MIKAWA PALETTE STAGE」で、三河木綿をはじめ、蒲郡の自然、文化を採り入れた八つの衣装が、著名人によって披露された。ステージを目の当たりにし、TGCの規模や観客の熱気を肌で感じ、実際に蒲郡で同様のイベントを実施する意義を理解した。    

作り上げた衣装=蒲郡商工会議所で
作り上げた衣装=蒲郡商工会議所で
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林大二朗

 愛知県蒲郡市生まれ。2020年、地元蒲郡が好きで東愛知新聞社に入社。同年から蒲郡担当、市政や地域行事、文化など全般を取材。ドローンを使って東三河の名所を空撮したルポ「大二朗記者の空からの訪問」を不定期連載。これまで、三河大島や三河国分尼寺跡、日出の石門などを空撮してきた。ドローン技術向上のため、国家資格「一等無人航空機操縦士」を24年に取得。読者の皆さんが楽しんでもらえる記事と記憶に残る写真を掲載できるよう、日々、頑張っていきます。

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