【フィギュア女子】魂の「愛の讃歌」 銀メダルの坂本花織選手に鈴木明子さん「滑ってくれてありがとう」

2026/03/08 00:00(公開)
鈴木さん(提供)
鈴木さん(提供)

 ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート女子で、銀メダルを獲得した坂本花織選手。現役引退を表明して臨んだフリープログラムで選んだ曲の一つは、五輪2大会連続出場で豊橋市出身の鈴木明子さん(40)が現役最終年に演じた「愛の讃歌」だった。鈴木さんは現地で解説を務め、後輩の姿を万感の思いで見守った。

 

 2人の出会いは、坂本選手が12歳頃の名古屋市内の練習場だった。「当時からすごく軽やかにぴょんぴょんジャンプを跳ぶ小さい子がいるなと思っていた。とにかくニコニコな笑顔が印象的だった」と鈴木さんは懐かしむ。坂本選手から今季、この曲を滑ると報告を受けたのは昨年6月のこと。「ソチ五輪シーズンの演技を見て、やりたいと思い続けていたとは思わなかった。月日を重ねても気持ちが変わらなかったのはうれしかった」と振り返る。

 

 この曲は、鈴木さんにとっても特別な意味を持つ。「自分のスケート人生を凝縮したプログラムにしたくて、出合いから摂食障害による挫折や再生などを表現した。乗り越えなければいけない苦しみを乗り越えてきたからこそ表現できた」と曲に込めた思いを語る。

 

 ショート2位で迎えたフリー当日、解説席の鈴木さんは「坂本選手自身がやりきったと思える演技をしてほしいと祈っていた。本当は解説もなく、普通に見届けたかったと思うほど、非常に緊張していた」と明かした。坂本選手は冒頭のジャンプを順調に決めたが、後半にミスが出て完璧な演技とはいかなかった。演技後、坂本選手の目からは涙があふれた。「五輪期間の17日間、日本チームのみんなの中心にいて精いっぱいの応援をしていた。最後の五輪を全て味わって、その瞬間を大切にしていると感じた。その姿から後輩たちが多くのことを学んだのではないか」と語る。

 

 選手団に「たくさんの感動と勇気をもらったので感謝を伝えたい。心も体も休めてほしい」とねぎらい、坂本選手へは「ここまで頑張ってくれたことに『ありがとう』と伝えた」という。最後に「私は五輪でメダルが取れた選手ではなかったが、自分の演技を覚えていてくれて、あの時に愛の讃歌を滑って良かったと思う。今回の演技を見て、またこの曲を滑ってみたいというスケーターがつながってくれたらうれしい。『愛の讃歌』といえば、坂本選手のあの演技だと記憶に長く残ることを願っています」と結んだ。

 

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北川壱暉

 1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。

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