豊橋市石巻西川町で果樹生産を手掛ける「チロルの農園」で20日、市内初のワイン醸造所の地鎮祭があった。農園では市内を対象に今月国が認可した「ワイン特区」=ことば=に先駆け、小規模ワイナリーの開設準備を進めていた。初年度は特産の次郎柿を原料に、2年目からブドウのワインも醸す。岩瀬宏二代表(49)は「豊橋らしさにあふれるワインを醸造したい」と意気込む。
今月の特区認定を見据えて農園事務所の敷地内に用地574平方㍍を確保した。醸造所は木造2階建てで延べ135平方㍍。11月完成予定。
建物内部は原料プレスや醸造、熟成貯蔵に使う製品置場など工程ごとに部屋がある。醸造室は吹き抜け構造で6基のタンクで製造する。1000㍑を5基、500㍑と200㍑は5基導入。うち1基は、通気性などに優れるコンクリート製も採り入れる。
初年度は12月までに収穫した次郎柿を仕込んだ果実酒「DA MONDE(だもんで)」を醸造する。2年目の2026年秋からワイン醸造も始める。
ワインは赤が「マスカットベリーA」と「ヤマ・ソービニョン」のブレンド、白は「甲州」、スパークリングは巨峰を微発泡に仕上げる。
ボトルのラベルは市内に住む漫画家の佐野妙さんがデザインする。キャラクターが商品を説明する漫画を載せ、商品の特徴や豊橋のまちを印象付けたい考えだ。原料生産や醸造事業と並行し、今後は近隣での遊休農地を活用した醸造用原料の生産にも取り組みたいという。
岩瀬代表は「地元らしさを押し出し、推し活消費でも選ばれる商品にしたい。次郎柿の果実酒は世界でもなく、世界市場にも豊橋と次郎柿を広めたい」と意気込む。
構造改革特別区域法で特産酒類の製造事業を規制緩和できる区域。「豊橋ワイン特区」を盛り込んだ県計画案が今月、国から認定された。ブドウや柿を原料とするワイン(果実酒)の製造量要件が現行6㌔から2㌔に緩和される。県内では碧南、豊田、岡崎の各市に続く。豊橋市では県全域を対象にした教育や農業(15年)や、三河港国際自動車トレード(19年)の特区がある。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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