危険物取扱者試験乙種を全制覇 豊橋本郷中の光部さん

2025/06/20 00:00(公開)
賞状を受け取った光部さん㊧と浅野支部長=本郷中学校で

 豊橋市立本郷中学2年の光部美也さん(14)が危険物取扱者試験の乙種第1類から第6類までの全種類の試験に合格した。数学や理科が得意で「将来は科学の研究者になりたい」というリケジョだ。

 

表彰されるのは全県で年に1~2人

 

 危険物取扱者試験は甲乙丙があり、乙と丙は小学生でも受験できる。ただし高校以上の物理化学の知識が必要で、中学生で合格するのは珍しい。2023年の県内の乙種受験申請者は約1万7000人で合格率は43・8%。このうち中学生で全種類に合格したのは例年1人か2人しかいない。

 

 小学4年のときに、父が乙種を受験することになった。「一緒に受けるか?」と誘われ、5年生から挑戦し始めた。市販の参考書を読んで勉強したが、最初は「用語が分からない。参考書を見ても漢字の単語が読めない」という状態。それでも家族のサポートを受けながら、少しずつ実力を付けていった。

 

 危険物の名前を覚えるのは得意だった。「たとえば、一番長いと思う名前は『エチルメチルケトンパーオキサイド』かな」と、すらすら唱えた。ウィキペディアによると「メチルエチルケトンと過酸化水素との反応で生成する有機過酸化物の呼称」なのだそうだ。

 

 豊橋市内でも年2回、試験があるが、学校の定期試験と重なって受験できなかった。そこで家族が名古屋市や浜松市の会場まで送った。「試験会場は大人ばかり。1回だけ、子どもを見かけたかな」と光部さん。

 

 6年生でまず4種に合格。続けて5種を取り、今年3月に残りの全免状が届いた。中学受験をしなかったこと、中学1年のときはまだ時間の余裕があったことが合格につながった。

 

 この日、危険物取扱者試験の指定試験機関である消防試験研究センター県支部の浅野宏明支部長が学校を訪れ、賞状と図書カードを贈った。

 

 来年は受験だ。目標は長野工業高等専門学校。寮生活をしながら理系の勉強を続けたいという。

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山田一晶

1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。

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