東栄町下田の空き店舗を私設図書館にしようと、町内に住む伊藤拓真さん、詩織さん夫妻が、来年4月のオープンを目指して改装作業を進めている。「一箱本棚オーナー制度」を採用して交流を図る。クラウドファンディング(CF)で資金調達をしていたが、25日に目標の80万円を達成した。本棚オーナーは募集中だ。
国道473号の市場地区で飲食店などが並ぶ商店街。50年前まで洋品店として営業していた2階建ての物件を借りた。通りに面した1階部分の壁を書架にする。その本棚を1箱ずつ借りてオーナーになってもらう。
居住空間だった1階南側はレンタルスペースとし、1カ月単位で暮らせるようにする。畳間がある2階はシェアオフィスとして利用してもらう。
作業は6月から始め、使わない床材をリユースして本棚を作っている。伊藤さんは「本がつなぐ人とまちを目指します。レンタルスペースは1カ月以上滞在可能にして、お試し移住の機会にもしてほしい」と話す。
CFは目標額を達成したが、本棚オーナー(6カ月、1年)、東栄町内の観光案内など返礼品は30日まで募集中だ。
店がある市場通りは、商店だけでなく町役場や「とうえい温泉」ともつながる。近くでは、4月に桜並木観賞、6月にはホタル観賞のイベントがあり、にぎわいも見られる。伊藤さんは「気軽に皆が立ち寄れる場所となってほしい」と期待を寄せる。
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浜松市出身。大学卒業後、母親の実家があった豊橋市に住む。スポーツを皮切りに、蒲郡市政担当15年を経て現在新城市と北設楽郡を担当する。映画ロケの炊き出しからご当地グルメとなった「ガマゴリうどん」など、まちぐるみで取り組む姿を取材するのが好き。
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