豊橋市の新アリーナと豊橋公園再整備を巡る住民投票の運動が活発化する中、賛成派市民らが企画した小学校体育館での説明会が市教育委員会の指摘で中止されていたことが分かった。政治的目的での利用を禁じる市教委の要項に触れたとしており、利用を許可した学校から開催間際に知らされることとなった。主催団体では「もっと事前にルールを明確にすべきだ」と対応に不満を募らせた。
説明会の中止を伝えたのは市立富士見小学校と松山、つつじが丘の3小学校。今月11日付で教育政策課長が、教育委員会の政治的中立をうたった要項に基づき、学校体育館の使用不可を各校長に伝えた。
事業継続に賛成の市民グループ「新アリーナ・豊橋公園整備を応援する会」は当初、22日に富士見小学校と松山小学校で開催予定だった。つつじが丘小学校では自治会有志らが27日夜の開催へ向けて備えていた。いずれも学校の利用手続きは5月末までに終えた。
教育政策課によると利用手続き終了後の6月に入り、市民から「3校の体育館を説明会に使えるか」と問い合わせがあった。施設の目的外一時使用を定めた要項で、住民投票の説明会に使えないと判明し、学校を通じて主催者に使用不可を伝えた。
住民投票の実施が決まったのは5月15日の市議会5月臨時会だ。3校区では5月末までに会場手配を終えている。「応援する会」では数多くの配布用チラシを作った経緯もある。
教育政策課では「賛成と反対の各団体についての情報がなかった。市民の問い合わせで初めて学校施設を使うことが分かった。初めての住民投票で手探りだったため、事前の周知までは至らなかった」と説明した。
応援する会では「会場手続きの完了から半月はあった。開催直前で軌道修正を余儀なくされたのは残念だ。今後の住民投票の運動にも影響するだろう」と懸念した。条例に沿って手探りの中、運動する側は「執行者の市からあとで不備を指摘されているようだ」と現状について語った。
同じことは市公会堂の利用や校区自治会長向けにチラシ配布などのルールを呼び掛けた通知にも表れている。
公会堂で19日夜に市民向け講演会を開く「新アリーナを求める会Neo」は、チラシ配布や看板設置方法などルール説明が申し込みから約半月後に施設管理者から電話であった。所管する文化課も「通常とは異なる説明方法で、どんな経緯でこうなったかは調査中。当日に利用者と打ち合わせた記録は残っている」と説明する。
通知はいずれも6月中旬に当事者へ届いた。参院選公示(7月3日)後は運動も大幅に制限される。残り3週間でこうした「あとからの指摘」をどう減らせるかも住民投票の成否の鍵を握る。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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