千葉市で9月にあったブラジリアン柔術の国際大会で、豊橋市東部中学校2年の田中統梧さん(13)が優勝した。小学生時代から通っていた空手指導者の助言を機に柔術を始めて1年半ほどでの快挙。家族の支えを受け、将来を見据えた練習を重ねる。
ブラジリアン柔術とは、日本からブラジルに伝わった柔道が独自の進化を遂げたとされる寝技主体の格闘技。統梧さんは9月18~21日に千葉ポートアリーナで開かれた「SJJIF WORLD JIU―JITSU CHAMPIONSHIP 2025」の「Male Gray Kid 5 Heavy(男子グレーキッド5ヘビー級)」に出場した。グレーとは帯の色を指す。試合ではいずれも「三角絞め」で一本勝ちした。
統梧さんが柔術を始めたのは小学6年の2月ごろ。現在も週1回通っている空手の指導者に勧められ、湖西市新居町にある「関谷柔術アカデミー」の門をたたいた。練習にしだいにのめり込む統梧さんの姿を見て柔術を始めた父佑児さん(45)や妹と共に週3回、道場に通う。
練習では準備運動をした後に技を確認し、実戦形式に近いスパーリングを重ねてきた。「道場に通うさまざまな人と練習してほしい」(佑児さん)との思いから、キッズ対象の時間帯にとどまらず、大人クラスに佑児さんと共に参加し指導を受ける。佑児さんと組んで練習することもある。
同大会に出場するのは昨年の白帯に続いて2回目。前回は1回戦で敗退した統梧さんは今年「緊張をほぐすために小説を読んで心を落ち着かせた」と話す。「対戦相手を倒すだけ。勝つしかない」と集中して試合に臨み見事に制した。「どんな状況でも常に勝てる選手になりたい。実績を積んでプロの選手、そして指導者になりたい」との夢を描く。
中学校の部活動では柔道部に所属するほか、MMA(総合格闘技)やボクシングなどにも挑戦する統梧さん。こうした姿を見て佑児さんは「経験を重ね、社会に出たときに考えて行動できる人になってほしい」と話す。柔術を指導する同アカデミーの関谷忠志代表は「すごくできている選手」と評価したうえで「柔術での学びを生かし、人生の黒帯を目指してほしい」と語った。
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