バスケットボールBリーグ「三遠ネオフェニックス」の主将の佐々木隆成選手(29)が6日、豊橋市総合体育館で行われた「島根スサノオマジック」戦で先発出場した。5月の「チャンピオンシップ」準決勝で左アキレスけん断裂の重傷を負い、約7カ月ぶりの実戦だったが、7得点7アシストを記録、健在ぶりをアピールした。
この日の試合前、先発メンバーで佐々木選手の名前が呼ばれると、割れんばかりの隆成コールが起こった。見せ場は第1クオーター(Q)。チーム初得点となるレイアップを決めると、3点シュートを沈め、チームに勢いをもたらした。結果は92対93で惜敗したが、「再びブースターの皆さんの前でプレーできる喜びを感じ、気持ちが高まった」と喜びを語った。
「朝9時頃まで寝たかったが、7時に愛犬のルークに起こされた。そうではなくても昨夜からそわそわしているのに」と高揚感を表現した。ただ、心境は「楽しみ50%、不安50%。けがはあまり不安はないが、どんなプレーができるかという不安があった」と話した。「練習と試合はギャップがあってはいけないが、強度が全然違う。どれだけできるか様子を見ながらと思ったが、試合になると動いてしまう。もう少し抑えれば良かったが、コートに出たら100%を出すのが仕事なので、準備はいつでもできていた」と振り返った。
今季の三遠は7日現在で8勝12敗の西地区10位。チームの苦境をベンチから見つめていたが「自分が成長するためにどうすればいいか考える時間になった。周りからは冷静に見えたかもしれないが、実際はすごく熱い気持ちだった」と話す。焦りについては「全くなかった。リハビリの先生やチームスタッフが親身になって支えてくれたおかげでここまで来ることができた」と感謝した。
数多くのファンからの応援メッセージが治療の励みにもなったとし「これだけ多くの方に見ていただいていると認識できる時間でもあった」。そのうえで、恩返しは「プレーで示すこと。勝ち負けは約束できないが、自分のプレーで勇気を与えられるような選手になる」と誓った。
最後に、けがに苦しむ選手らに「落ち込むし、ネガティブな出来事だが、けがをしないと分からないこともある。難しいと思うがポジティブに変換して、プラスになると信じてやるしかない」とメッセージを送った。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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