東日本大震災発生から11日で15年となる。死者1万9000人、行方不明者2500人に上る災害で太平洋岸地域では津波被害の恐ろしさが再認識された。沿岸の田原市赤羽根港でも県の防潮堤整備が進行中だ。国が昨年3月に見直した南海トラフ地震の被害想定では津波の到達時間がさらに早まった。県は被害想定の見直しと並行し、残る防潮堤の整備も急ぐ。
防潮堤は漁港西側の一部が完成した。現在は国道42号に沿った「愛知外海漁業協同組合」の事務所北側の約50㍍の工事を終え、さらに東側へ向けて基礎工事が進んでいる。
整備を担当する県三河港務所によると、漁港東側の高台に面した一部を除き、南西側から国道沿いと南東側に建つ「道の駅あかばねロコステーション」などの施設を隔てるように堤防を築く。28年度中の完成を見込んでおり、港務所では「工事も順調に進んでいる」としている。
南海トラフ地震の被害想定 国の見直しで県も改定急ぐ
港付近の標高(2・2㍍)を含む防潮堤の高さは8・6㍍。地上から最上部までは6・4㍍あり、幅はもっとも分厚い部分で8・8㍍ある。堤防高は13年に見直した国の被害想定に基づいて割り出した。昨年3月の再見直しを受け、県は新たな被害想定見直しを進めている。
港に隣接する同市池尻町は約120世帯が暮らす。大きく分けて三つのエリアからなり、港の近隣から西へ向かって標高は20㍍まで高くなる。太平洋岸では標高5㍍前後の堀切町と並び、市内でも津波による浸水被害がもっとも深刻なエリアの一つだ。昨夏発生したロシアのカムチャツカ沖地震に伴う津波注意報でも両地域では住民への避難指示があった。
住民の一人で若戸校区コミュニティ協議会の杉原正光会長(72)は「15年前の震災から津波防災への住民の意識はより高まった。地域の防災訓練のほか小中学校の下校訓練など、常に地震や津波災害への意識を植え付けておくことが肝心だ」と述べた。昨夏の津波警報の教訓から「何事もないことで『今回も大丈夫だった』と思わないでほしい。他人事のように受け止める雰囲気は避けるべきだ」と危機感を募らせた。
購読残数: / 本
愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
週間ランキング
日付で探す