東三河が舞台の人気ライトノベル「負けヒロインが多すぎる!(マケイン)」。ブームの火付け役となった「推し旅」コラボの企画責任者、JR東海営業本部需要創出グループの2人にタイアップのきっかけや展望を聞いた。
【新連載】マケインの舞台裏-JR東海編
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2022年途中から同僚の出川ゆかりさん(38)が参画し、「仲間が増えて心強かった」とJR東海営業本部需要創出グループの福井一貴さん(40)。出川さんは昔から「ラブライブ!サンシャイン!!」のファン。推しに会いに行くファンの気持ちが分かる出川さんと、「送客」を起点とした企画立案が得意な福井さんの絶妙なバランスが企画の成功の鍵となる。
「五等分の花嫁」のコラボ企画が成功し、同年夏を迎えた。第2、第3の矢として静岡県沼津市を舞台にした人気作品「ラブライブ!サンシャイン!!」と同時期に目を付けたのが21年に発売された「マケイン」だった。
福井さんは「出版社に紹介され、『これはいける』と直感的に思った」と話す。恋に敗れる「負けヒロイン」に着目した世界観はSNSで評価が高く、イラスト担当のいみぎむるさんは知名度抜群で、地元出身の雨森たきび先生が原作。「推し旅」と相性が良く、編集者と「売れる前に戦略的にプロモーションをかければ、もっと多くの人に刺さるコンテンツになるのでは」と話していた。
第1弾の「負けヒロイン総選挙」(2023年3~4月)は、作中のヒロインキャラクターの中から1人の「推し」を選び、駅の商業施設「豊橋駅ビルカルミア」のサービスセンター横の投票箱に投票するシンプルな内容だった。福井さんは「作品を広めるうえで地元での認知は必要不可欠。投票という誰でもわかる座組みにし、作品を応援する機運を高めたかった」と狙いを語る。
一方、出川さんは「メンバーの間で豊橋駅を作品カラーで装飾する意見も上がった。ただ、内輪で盛り上がって終わる危険性があり、大きくやりたいけどやりすぎない点に注意するのが難しかった。作品の浸透具合を見極めて企画を考えた」と明かした。
「負けヒロイン総選挙」の反響は予想以上で、2カ月間で約3000票が集まった。出川さんは「高齢女性がカルミアに来て応募していたと聞いて驚いた。市民の皆さんにも浸透していく様子を体感でき、企画して良かった」と振り返った。
社内でも徐々に周りの反応が変化していった。当初は福井さん1人で始めた企画だったが、反響の大きさに比例して関わるメンバーが10人以上に増えた。他の部署の社員から「こんな企画やってみたら」と提案されることもあり、出川さんは「隠れマケインファンがこんなにたくさんいるとは」と驚いたという。(続く)
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2009年にJR東海入社。2022年春から現職、「ラブライブ!サンシャイン!!」や「響け!ユーフォニアム」などを担当
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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