「第46回豊橋小市民寄席」が豊橋市公会堂で7月5~6日に開かれる。豊橋落語天狗連(てんぐれん)主催。5日のトリを務めるのは、天狗連に入って5年目の六ツ家千艘(りくつや・せんそう)さんだ。「気負わずに高座に上がりたい」と語る。演目は創作落語「器量のぞみ」。
”昼間の顔”は、豊橋市牛川通にある「三菱ケミカル東海事業所」の「炭繊複材製造部」といういかめしい名前の部署の堤晋一郎部長(51)である。280人の部下がいる。2021年に富山市の事業所から転勤してきた。
九州大学の落語研究会出身。「子どもの頃から落語が大好きで、進学先を選ぶのも落研があるかどうかで決めた」と話す。得意としていたのは古典の「千両みかん」「粗忽長屋(そこつながや)」など。
旧三菱レイヨンに就職、最初の赴任地は広島県の事業所だった。社会人の落語会に入り、腕を磨く。富山市に転勤し、ここでも社会人落語会に入っていた。
豊橋市に転勤したのは21年4月。さっそくインターネットで検索して豊橋落語天狗連の存在を知り、月例会に出かけて「私もやるんです」と声を掛け、仲間になった。その年の小市民寄席は手伝い係だったが2日間の市公会堂の大入りぶりに「これだけ人を集められる団体があることに驚いた」と振り返る。22年は「猫と金魚」をかけて大受けした。23年は新型コロナウイルスに感染し欠席。24年は古典「三年目」を演じた。
仕事中もつい”噺家(はなしか)しぐさ”が出る。会議で部下のプレゼンテーションを聞いても、内容より「声が通ってないぞ」と思ってしまう。またある時は「そんな話じゃ、お客さんが分からないだろう」「お客さんって何ですか?」「…いや、聞いている人が」というやり取りがあったそうだ。
今回の落語「器量のぞみ」は宮部みゆきさんの同名短編小説を元に千艘さんが創作した。原作は、不器量で大女、貧しい娘お信に美男子の繁太郎が「器量のぞみ」で嫁に欲しいと言ってくる。嫁いでみると、驚くほど美形に見える二人の義妹が、器量の悪いことを苦にして気の病にかかっていることを知り…という内容。「ギャグを散りばめ、噺に仕立てました」と千艘さん。後は聞いてのお楽しみだ。「大きなチャンス。頑張ります」と意気込んでいる。
両日とも午後2時開演。問い合わせは、豊橋落語天狗連の鶴橋減滅渡(今村敬)さん(090・8150・1951)へ。
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1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。
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