蒲郡市は豊橋技術科学大学などと連携し、11月1日に竹島園地で開くファッションイベント「GAMA LOVE FES(ガマラブフェス)」会場に、三河繊維の端材をアップサイクル(創造的再利用)したベンチとフォトスポットを設置する。現在、技科大建築・都市システム学系の藤田大輔教授ゼミ生5人らが、校内でベンチ制作に取り組んでいる。
イベントは蒲郡の地場産業である繊維産業を全国にPRするプロジェクトの集大成として、市と三河繊維会社で構成する「ミカワ・テキスタイル・ネットワーク協議会」が企画した。当日はファッションショーやワークショップを楽しめるほか、地元企業のPRブースを設置する。
ベンチとフォトスポットは繊維に触れながら、地場産業の魅力とアップサイクルを通して蒲郡の循環経済の取り組みに関心を深めてもらう。市は柔軟な発想やアイデアを持つ学生と一緒に制作しようと考え、県内の大学に協力を依頼した。
藤田ゼミは、取り組みに賛同した市内のロープ製造「丸五製綱所」の間瀬有実子社長の声掛けで参加。8月、竹島園地や各繊維工場に赴いて現地調査したほか、間瀬社長や市職員から蒲郡の繊維産地の歴史を教わった。
学生は、調査でいろいろな人が何かを追求している姿勢や工場見学を通して感じたことをまとめ、繊維の知識を深めたうえで、9月に意見を出し合ってデザインとコンセプトを「KAWAII細胞」とした。
制作中のベンチは、蒲郡の循環経済の取り組みや繊維ロープ産業の発信につながるよう、ロープやカーテン、ガーゼの端材をパイプ状の骨組みに渡して座る。それぞれが持つ「素材感」や「繊細さ」が体感できる。また、フォトスポットの機能を兼ね備えている。設置場所は園地の藤原俊成像前を予定している。
16日、市職員と間瀬社長が技科大を訪れ、ゼミ生で修士2年の籾山遥希さんから制作状況の説明を受けたほか、学生がロープ1本1本をベンチの骨組みに結んでいる様子などを見学した。その後、判明した課題対処への相談や当日の安全対策についても話し合った。
籾山さんは「扱ったことがない素材で大変な部分もありますが、いろんな繊維が考えられてできていることが知れて面白い」と話した。間瀬社長は「ベンチは子どもが楽しめて刺激を受ける機会になると思う」と述べた。
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愛知県蒲郡市生まれ。2020年、地元蒲郡が好きで東愛知新聞社に入社。同年から蒲郡担当、市政や地域行事、文化など全般を取材。ドローンを使って東三河の名所を空撮したルポ「大二朗記者の空からの訪問」を不定期連載。これまで、三河大島や三河国分尼寺跡、日出の石門などを空撮してきた。ドローン技術向上のため、国家資格「一等無人航空機操縦士」を24年に取得。読者の皆さんが楽しんでもらえる記事と記憶に残る写真を掲載できるよう、日々、頑張っていきます。
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