豊川市萩町の飲食店「寺そば萩山慈恩寺」は、ソバの実を石臼で手びきしてから手打ちにして出す「手挽きの十割そば」の販売を始めた。毎日15食程度しか出せず、すぐに完売になる人気だ。
落語の古典に「時そば」があるように、そばは江戸時代にはすでに庶民に愛される食べ物だった。当時の作り方を再現して客に味わってもらおうと、手間がかかるが導入を決断した。
15食分のそば粉を作るのに、手びきだと約4時間かかる。店のスタッフが石臼を回しながら、少しずつ実を投入してひいていく。機械のように一定の速度でなく、粉が不ぞろいになるが、そこが味わいにつながる。
店は前日に手びきした粉を使って朝から手打ちし、打ちたてを提供する。一般的なそばよりも少し色が黒くなるが、香りが感じられ、おいしく味わえる。
店主の深津弘さん(79)は「そばが苦手な人でも、おいしく食べられます。機械がなかった古い時代の味を堪能してください」と話す。
1500円(税込み)。営業は午前11時からで金曜、土曜、日曜、祝日は休み。年末年始は26日から1月5日まで休み。予約と問い合わせは寺そば萩山慈恩寺(0533877270)へ。
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1973年生まれ、豊川市出身。建設業界に勤務後、96年に入社。2022年から豊川市を担当している。趣味は美術館巡り。ポッドキャストでラジオを聞くのも好きで、さまざまな番組を楽しんでいる。
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