蒲郡市の観光の礎を築いた実業家、滝信四郎氏。その孫で市特別観光大使の富夫氏が監修した書籍「蒲郡の夢―滝信四郎が蒔いた種」の出版記念イベントが、18日午前11時半から同市竹島町の蒲郡クラシックホテルで開かれる。
信四郎氏は、1912年に先代から受け継いだ滝兵右衛門商店を「滝兵商店(現タキヒヨー)」に改め、伝統だった丁稚(でっち)奉公や番頭の派手な羽織などを見直し、店員の生活改善にも努めた。
また、蒲郡の観光振興に私財を投じ、文豪が愛した料理旅館「常磐館」をはじめ、「竹島橋」や「弘法大師像」など数多くの観光施設を建設した。特に、34年には蒲郡クラシックホテルの前身となる「蒲郡ホテル」の建設に尽力し、蒲郡を県内有数の観光地に押し上げた。
書籍の出版は、富夫氏が自身の記憶がある間に信四郎氏の活動や言動、考え方を後世に残すことを目的に企画した。今年3月に、市やクラシックホテルなどの協力で、信四郎氏の生涯と、信四郎氏が残したものを守る蒲郡の人々を描いた本として完成し、5月に市内の公共施設に配布された。
今回、地元の有志らでつくる「『蒲郡の夢』語る会」は、イベントを通して蒲郡を愛し、観光の発展に貢献した信四郎氏の業績を再評価し、後世に語り伝えようとの思いで企画した。
当日は、富夫氏が祖父の信四郎氏との思い出や、本を企画した背景、制作の裏話、そして蒲郡の良さなどについて話す。また、市内の耳鼻咽喉科病院経営で落語家として活動する駒久家南朝氏による信四郎氏を題材にした落語も特別に披露される。
参加費はホテル特製ビーフカレー付で1人5000円。15日までに専用フォームに氏名や連絡先を記入して申し込む。問い合わせは、語る会の事務局を担う市観光まちづくり課(0533・66・1120)へ。
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愛知県蒲郡市生まれ。2020年、地元蒲郡が好きで東愛知新聞社に入社。同年から蒲郡担当、市政や地域行事、文化など全般を取材。ドローンを使って東三河の名所を空撮したルポ「大二朗記者の空からの訪問」を不定期連載。これまで、三河大島や三河国分尼寺跡、日出の石門などを空撮してきた。ドローン技術向上のため、国家資格「一等無人航空機操縦士」を24年に取得。読者の皆さんが楽しんでもらえる記事と記憶に残る写真を掲載できるよう、日々、頑張っていきます。
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