田原市出身で、インターネット関連事業を営む片山翔太さん(25)が7月10日発売の小説「失敗の手紙~二十歳の俺から未来の僕へ」(日本橋出版刊)で作家デビューを果たした。母校の県立福江高校であった課題研究の講師として、後輩らに夢の実現へ向けて行動する大切さを説いた。
片山さんは同校の2018年卒業生で、野球部では主将を務めた。東海学園大学を卒業後は都内の企業に就職。退職して拠点を北九州市へ移した。現在は個人でオンラインサロンなどの事業を営む。
作品は自伝的小説だ。夢を抱いた東京暮らしも、毎日心を擦り減らす生活に戸惑いを感じていた。ふとパソコンで開いた「挫折」と書かれた文書に、二十歳の自分が未来に宛てた手紙を発見。24歳の自分が人生を歩む勇気で奮い立つ物語だ。
出版に際し、片山さんは150もの出版社に作品を持ち込んだ。片手間で動くことを嫌う性分から、売り込みに集中して月収が5万~6万円まで減ったこともあった。
この間、不採用を意味する「お祈りメール」が次々と自身のアドレスへ自動返信された。片山さんは「才能を否定されたと思い、自己嫌悪に陥った」とつらかった時期を振り返った。
講師を務めた課題研究の授業では、夢だった作家への道のりや、大好きな読書体験について生徒らと語り合った。
小説を書いた動機について「出版しようと意図して筆を執ったのではない。書きたい思いが先行した。先々を計算せず『これをしたい』と思ったことを、とことん追究してほしい」と生徒らに助言した。
今後は「映画制作」「共同で起業」が目標という片山さん。起業は「1冊の本を出すには編集者やイラストレーター、ライターなど多様な職種が関わる。クリエーターを支えるビジネスにも関心がある」と新たな夢を語った。
作品は212㌻で1760円(税込み)。書店のほか大手通販「アマゾン」で。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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