旧東海道歩き宿場で一席 真打ちの立川市の八さん ちょんまげ旅装束

2025/10/23 17:00(公開)
高座に上がり落語を披露する志の八さん=湖西市新居町で

 ちょんまげ姿がトレードマークの落語家立川志の八さんが東海道五十三次の旧宿場町で落語を披露する旅を続けている。31番目となる湖西市の旧新居宿では20日、志の八さんが立ち寄った「小松楼まちづくり交流館」で一席設け、観覧者を楽しませた。

 

 志の八さんは2000年5月に立川流の立川志の輔さんに入門し17年に真打ちに昇進した。芸歴25周年を迎えたのに合わせ「自分らしいイベントをしたい」と考え、直接会ってコミュニケーションを築く「東海道中膝瓜毛」を企画した。ちょんまげを結い、旅装束で東京・日本橋を今月1日に出発、京都・三条大橋を目指して旧東海道を歩いている。宿場町が最も多い静岡県には9日に入った。

 

 20日の寄席は地元の落語愛好家らに相談・協力を得て実現した。会場に設けられた高座に上がった志の八さんは「楽しいのは楽しいがどこまで行っても静岡県。履いていたわらじが10足ぐらい壊れた」などと道中を振り返った。掛川市の日坂を歩いた際には時代が変わっても「(歌川広重が浮世絵に)描かれている通りだなと思った」とも語った。

 

 ちょんまげは、新型コロナウイルス禍の行動制限を機に伸ばした髪で結うようになったという。志の八さんは「ちょんまげは絶滅危惧種のイリオモテヤマネコよりも危惧種。ちょんまげを見たら声を掛けてほしい」などと笑いを誘った。

 

 この日の演目は、嫉妬をテーマにした「悋気(りんき)の独楽(こま)」。本妻と妾のどちらの元に行くかを主人がこまを回して決めている騒動を描く。観客は登場人物や場面に合わせた話芸に魅せられていた。終演後、「まさに志の輔師匠の口調だった」などとの声も聞かれた。

豊橋と豊川でも

 

 愛知入りした志の八さんは21日、豊橋市内の2カ所で高座に上った。旧二川宿では同市大岩町の大岩寺で檀家や近隣住民ら二十数人が聞き入った。その後、旧吉田宿として同市新吉町の「西光寺」へ。本堂には檀家や落語ファン、近隣の人など100人を超える人が集まり、急きょ席を追加したという。旅の経緯やちょんまげ姿のきっかけを説明した後、落語の所作の説明を枕に、古典の「時そば」を披露した。また22日には、豊川市の旧御油宿へ。同市御油町の東林寺でも一席設けた。

 

 

「時そば」を口演する志の八さん=豊橋市新吉町で
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