東三河が舞台の人気ライトノベル「負けヒロインが多すぎる!(マケイン)」。ブームの火付け役となった「推し旅」コラボの企画責任者、JR東海営業本部需要創出グループの2人にタイアップのきっかけや展望を聞いた。
【新連載】マケインの舞台裏-JR東海編
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新型コロナウイルス禍の2021年。新幹線や電車での「送客」が一丁目一番地のJR東海にとって危機的な状況だった。東海道新幹線の座席数は1列車あたり約1300で、ある程度の乗客数を確保しなければビジネスは成り立たない。そこで福井一貴さん(40)が思いついたのが「推し旅」だった。東海道沿線にゆかりのあるアーティストやアニメなどとコラボし「推し」を求めて旅に出てもらう。一つひとつは小さくてもちりも積もれば大きな需要となると考え、同年秋にプロジェクトを立ち上げた。
最初は推しに会いに行けるライブを企画。同年にはアイドルの「7ORDER」とのファンイベントを、22年には苦境が続くライブハウスを盛り上げるため、下北沢のライブハウスで人気バンド「SUPER BEAVER」とのイベントを開催した。「評判も上々だったが、これからは本来の目的の『新幹線利用』にどれだけ貢献できるか、ビジネスをスケールできるかという点でブラッシュアップが必要だった」と振り返る。
「推しを求める人にどうアプローチし、旅に出てもらえばいいのか」。関係者からの勧めもあり、題材に選んだのが「サブカル」だ。「ファンに熱量の高い人が多く相性が良かった。沿線のアニメや漫画とコラボし、舞台となった『聖地』を回遊してもらう仕掛けをつくれば旅に出てもらえるのでは」。22年に入り「アフターコロナ」の流れが強まったことも味方し、とんとん拍子に企画が進んでいった。
第1弾が劇場版アニメ「五等分の花嫁」とのタイアップ(5~7月)。新幹線の駅を舞台に登場人物の絵柄を入手できるデジタルスタンプラリーを展開し、名古屋港水族館ではアニメキャラのパネルを設置した。発表直後からSNSで話題となり、その後ファンが次々と現地に訪れる姿を見て「これはいける」と手応えを得た。一方、同社ではエンタメ界とのコラボは異例中の異例。それでも福井さんは「結果を出せば見方は変わる」と自分の感覚を信じて突き進んだ。(つづく)
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奈良県出身。2008年にJR東海入社。営業関係が長く、現職は2021年夏から。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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