豊橋市駅前大通3の「ネコゼ商店」で、同市出身のイラストレーター大武千明さんによる原画展「万年筆のある暮らし」が開かれている。版画のような繊細なタッチで描かれた豊橋のモーニングサービスや銭湯のイラストなど20点を展示している。入場無料。5月6日まで。
水上ビルで生まれ育った大武さんは、中学生で「銭湯」と出合う。それが今回の原画の一つ「人蔘湯」だ。「看板のレトロな文字を見て、異世界に来たような感覚に。大人の空間に思えて、当時は素通りしていた」と回想する。その後、豊橋技術科学大学で建築設計を学び、名古屋市の住宅メーカーを経て、京都でリノベーションの仕事をしていた。銭湯にはまったのはその頃だった。
100年以上の歴史がある「船岡温泉」(京都市北区)。社殿のような豪華な門構えに「銭湯にはロマンが詰まっている」ととりこに。「昔ながらの街湯もあれば、スーパー銭湯もある。場所によって異なる文化が垣間見える魅力を伝えたい」と万年筆画を描き始めた。画風は1本1本丁寧な線で描かれ立体的。「建築の図面を手書きすることもあったからそのせいかな」と言う。
楽しい経験ばかりではなかった。33歳の時に「銭湯を守りたい」と京都で下積みをした後、人蔘湯のスタッフとして務めた。「シフト決めや清掃、設備の点検、接客などやることが多くて挫折した」と退職。「人生をかけて挑戦したのに」とふさぎ込む時期もあったが、万年筆画に救われた。「絵画展には私の喜怒哀楽が詰まっている。銭湯もモーニングも私の人生」と話す。水曜を除く平日は午後4時~同8時半。土日祝日は午前11時~午後8時半。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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