豊川市谷川町の飲食店「イタリアンダイニング花の庵」が、市の防災協力事業所に登録される。災害時に障害者が直接避難できるよう配慮する。3月下旬に申請していた。
豊川市内には災害時に障害者が直接避難できる福祉避難所がないと昨年、二つの市民団体が市長あてに要望書を提出した。花の庵代表の中野宏紀さん(46)は、うち一つに関わった市議の倉橋英樹さんの議会報告紙を見た。何かできることはないかと倉橋さんに相談し申請を決めた。
福祉避難所になるには、障害者に対応できる専門員の配置が必要だが、それは難しい。できる方法を考え、防災協力事業所に登録し、障害者を優先的に受け入れるようにすることになった。
飲食店なので常時、パスタ麺、米、肉、野菜、ソフトドリンクなどの食べ物があり、災害時に提供する。また店内は10カ所の個室があり、パーテーションなどで仕切らなくても、プライバシーが守られる。駐車場は20台分以上あり車で避難することも可能だ。
豊川市には、福祉避難所はあるものの、直接行くことはできない場所が大半。最初に地域に開設される避難所に行き、そこにいるのが難しいケースのみ移れるという運用になっている。障害のある子を持つ親からは「発達障害のある子は、初めての場所に行くのが難しいケースが多い。仮に行けても大勢の人がいると不安になり、大声を出すほか、落ち着かず多動になることがあるので、地域の避難所へ行くのは実際には非常に困難」の声が出ている。
要望書を受けて最初から行ける福祉避難所として、平尾町の豊川特別支援学校が指定されたが、学校から遠い人はどうするかなどの課題があった。
要望書を提出した国井真澄さん(47)は、「飲食店には個室のある店もある。個室があれば、障害のある子も落ち着くことができ、避難しやすい。市内各地の飲食店が避難所に登録していただけると、とてもうれしい」と話す。
中野さんは「飲食店は、食べ物や飲み物を常に常備しており、避難所には適している。大規模災害時に障害者でも安心して過ごせる場所にしたい」と話す。
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1973年生まれ、豊川市出身。建設業界に勤務後、96年に入社。2022年から豊川市を担当している。趣味は美術館巡り。ポッドキャストでラジオを聞くのも好きで、さまざまな番組を楽しんでいる。
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