春の高校野球県大会決勝が4日、岡崎市の「岡崎レッドダイヤモンドスタジアム」であった。豊川が東邦を4対1で下し、1952年以来73年ぶり2度目の優勝を果たした。24日に三重県で開幕する春季東海大会に出場する。
豊川は一回2死満塁から林朔の2点適時打で先制。1点差とされ迎えた六回には、林朔が右中間を破るランニング本塁打を放って突き放した。先発の平野が140㌔台の力強い直球を軸に、9安打されながらも1失点で完投勝利。閉会式で竹内雄主将らに優勝旗が手渡された。
勝利の立役者は3安打3打点の林朔。六回の打席では、変化球が続けてボールとなり「次はまた変化球だと思った」と振り返る。甘いカーブに体が反応しバットを出すと、打球は右中間へ。ボールが転々としている間に三塁を駆け抜け、ホームにヘッドスライディングし、こぶしを突き上げ、迎えた平野と抱き合った。「平野が頑張って投げていたので応えられて良かった」と喜んだ。
打てた理由を「緊張を楽しめたから」と答えた。これはモイセエフ・ニキータ(現ヤクルト)の言葉だ。林は1年からベンチ入りしていたが、強力打線を誇った当時の打線で1人打てずに悩んでいた。秋の県大会の試合後にモイセエフが駆け寄り、「ピンチの場面でも楽しめよ」と助言してくれた。これまで「打たなければ」と緊張でバットが出ないことが多かったが、「どうせなら楽しもう」という意識で打席に入るようになったといい、それから徐々に芽が出始めた。
遠投105㍍、50㍍走5秒8で身体能力はチーム随一。長谷川裕記監督は「技術はまだまだだが、大学で野球を続ければプロもあり得るほどのポテンシャル」と期待する。林は「夢は甲子園の舞台に立つこと。東海大会では泥だらけになって優勝したい」と意気込んだ。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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