秋篠宮さまは21日、豊橋市の「ホテルアソシア豊橋」であった日本動物園水族館協会(JAZA)の通常総会に出席された。秋篠宮さまが市を訪れるのは2016年7月の「海フェスタ東三河」以来9年ぶり。
総会には加盟園の関係者や来賓ら200人が出席した。秋篠宮さまは協会の総裁。
午後からの会議の冒頭で秋篠宮さまは「海外の諸機関からのゲストには、現在の動物園、水族館の動向についてのお話やさまざまなご意見をいただくこととしています。これを機に、動物園と水族館の今後の取り組みについて議論を重ねていただければ幸いです」と述べられた。また豊橋総合動植物公園について「動物園、植物園、自然史博物館を備えた全国でも珍しい総合公園。国内外の希少な動植物の飼育や栽培、保全に取り組んでいる。今後は動物園の機能の充実も目指している」と紹介。総会について「多くの情報交換や意見交換が行われ、皆さんにとって実りの多いものであることを祈念します」と結んだ。
この後、世界動物園水族館協会(WAZA)のカレン・ファイフィールド会長がニュージーランドからリモートで出席して発言した。ファイフィールド会長は、野生生物の増加と人類による脅威の減少には、家のような構造が必要だと指摘。基礎となる種の研究や動物医療などの上に、資金づくりやネットワーク構築などを載せて、活動を広げていくべきだと訴えた。
シンポジウム形式で進行した。最初の発表は渥美半島のヤマトサンショウウオとアカハライモリの研究をしている愛知教育大学の島田知彦准教授。絶滅したか絶滅危惧種と考えられていた二つの両生類がここ数年で再発見された経過について説明した。地元のNPO「朝倉川育水フォーラム」の大谷忠興理事長は、二つの両生類やゲンジボタルの保護と繁殖で、専門家のいない市民団体がどのような役割を果たし、市民への啓発活動に取り組んでいるかについて語った。また豊橋総合動植物公園研究員の櫻間麻友さんは、研究者と動物園、市民団体の連携による種の保全の大切さを語った。展示の工夫や繁殖と飼育の知見の積み重ねについて説明した。
この後は、国内を繁殖拠点とする渡り鳥「亜種アカモズ」に関する講演があった。登壇したのは共同で人工育雛(いくすう)に国内で初めて成功した人間環境大学の岡久雄二講師と、長野県松川町中央公民館の山崎隆館長、豊橋総合動植物公園のアカモズ飼育担当、高御堂裕紀さん。続けて地元や研究者らの中にある動物園や水族館の占める立場と役割についてのディスカッションがあった。
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1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。
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