東三河エリアで、地域を盛り上げようと行動する学生が増えている。注目しているのが、SEGODON―HOUSEを運営する中元景介さん(豊橋技術科学大学都市システム学課程4年)。インドでの長期インターンシップ経験を活かし、訪日外国人向けに古民家を活用したゲストハウス開業を目指している。海外の勢いと地元の魅力を結びつける新たな試みに挑む中元さんの活動をご紹介する。
まずはインドでの日系人材企業インターンシップ。中元さんは就職を希望するインド人と日本企業を繋ぎ、営業や集客に幅広く携わった。「人材を相手にする仕事は、人を『商品』のように扱ってしまうジレンマがありました。でも、本当に相手を想う姿勢を持ち続ける人こそが、結果的に売り上げを上げていたんです」。知らない土地での生活は食事をはじめ様々な面で苦労もあったが、海外の文化と若者のエネルギーに触れたことで価値観が変わったという。 インドから帰国後、改めて自分の地元に目を向けたとき、若い世代の活力がなかなか活かされていない現状に気づいた。「外国人からすると、ローカルな普通の民家での宿泊や農家さんとの触れ合いこそが『本当の日本体験』なんです」。そこで思いついたのが、築年数のある一軒家を活用し、ゲストハウスを通じて海外からの観光客を呼び込む構想。中元さんは「東京だけが日本ではない。地方にこそ昔ながらの良さがあり、助け合いの精神やリアルな日常が残っている。そうした魅力を世界に届けたい」と力を込める。
現在はSNSを活用した認知度向上と、地域の人々との連携体制づくりを進める。短期的にはゲストハウスに関連するインスタグラムアカウントのフォロワー1万人を目指し、農家の繁忙期には宿泊者が手伝いに参加できるような交流プログラムを模索中だ。「単に『泊まれる』施設にとどまらず、東三河の生活そのものを海外の人に体験してもらい、新しい化学反応を生み出したい」と展望を語る。
将来的には、自身が学んできた建築の知識をさらに深め、海外の人々とチームを組んでまちづくりに取り組んでみたいと言う。「多様な背景をもつ仲間と力を合わせれば、新しいビジネスや文化交流の形が創り出せる。それが結果的に地域の雇用や経済、そして若者の活躍の場を増やすことにつながるはず」と中元さん。「活動を見た誰かが、自分にもできると思ってくれたら嬉しいですね」と笑顔を見せる。
地域と世界をつなぐSEGODON―HOUSEの挑戦には、若者ならではの柔軟な発想と情熱が詰まっている。地元の豊かな自然や文化を海外へと発信しながら、東三河を新しい人材と価値観が交わる活気あるフィールドへと導く。その歩みは、同世代に限らず多くの人に「地域を変える可能性」を感じさせるだろう。(籔内龍介)
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活動は詳しくはインスタグラムから。
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Lirem創業者。2000年1月11日生まれ。山口県宇部市出身。2020年3月、宇部工業高等専門学校を卒業、同年4月、豊橋技術科学大学3年で編入、在学中の2021年10月にLiremを設立して代表取締役に就任。現在は起業家支援事業や事業会社のイノベーション促進に向けた研修プログラムを提供する。「火―Okoshi」も運営する。
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