人手不足に苦しむ豊鉄バスに初の外国籍路線バス運転士が誕生した。中国河北省出身の鈴木美恵さん(45)だ。しばらくは、豊橋鉄道渥美線の大清水駅とレイクヒルズを結ぶ「レイクタウン線」平日便を担当する。鈴木さんは「安心安全が一番。お客さんに優しく、信頼されるような運転手を目指したい」と話している。
鈴木さんは、2015年に日本人男性との結婚を機に来日し、食品工場などで働いた。24年10月に豊鉄バスに入社、11月に大型二種免許を取り、座学や指導教官との実車教習、空車教習などに取り組んできた。「左右確認、一時停止などルールが多く大変。駐車の際は特に乗用車との距離感の違いに苦労した」と語る。それでも「職場の仲間や教官が熱心に教えてくれて、応援してくれた」と感謝する。
バスの運転手の求人を見つけたのは電車の中の広告から。日本人のおもてなしの心にひかれ、サービス業に憧れていた。「お客さんが喜んでくれるような運転を」と意気込む。
同社は「日本語がまだ完璧ではないが、温かく見守ってください」とコメント。鈴木さんは毎週、市国際交流協会の教室に通ったり、本を読んだりして勉強している。今後は、市の人材育成研修応援補助金を活用しながら、外国籍従業員向け日本語ビジネス研修を受講する予定という。
働き方改革で昨年7月から運転手の労働時間規制が強化され、同社でも慢性的な人手不足が続いている。同月から市内の4路線で平日10本、休日9本を減便した。関係者は「平均2割の乗務員が不足しており、今いるスタッフが休日出勤している状況。70歳を迎えて辞める人もいるなか、ずっと募集している状態」と頭を悩ませている。昨年は市の運転体験会に出展するなど、試行を続けている。今後は、外国人や女性ら幅広い採用方法と環境整備で運転士確保につなげたい考えだ。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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