蒲郡市や同市竹島地区の観光振興をしている「蒲郡観光協会」は、蒲郡の観光の発展に貢献した実業家の滝信四郎氏の孫で、市特別観光大使の滝富夫氏が監修した書籍「蒲郡の夢-滝信四郎が蒔いた種」を、今月下旬に市内の公共施設に配布する。
滝氏は名古屋で呉服商を営んでいた滝家の五代目当主。1912年に先代から受け継いだ滝兵右衛門商店を「滝兵商店(現タキヒヨー)」に改め、伝統だった丁稚奉公や番頭の派手な羽織りなどを見直し、店員の生活改善に努めた。26年に滝高校など運営する「滝学園」を創設した。
蒲郡は保養のために訪れていた。12年からは私費で文豪が愛した料理旅館「常磐館」の建設をはじめ、「竹島橋」や「弘法大師像」など数多くの観光関係施設も私費で建設してきた。34年には蒲郡クラシックホテルの前身となる「蒲郡ホテル」の建設に尽力し、県内有数の観光地にした。
書籍は、富夫氏が自分の記憶がある間に滝氏の活動や言動、考え方を後世に残すことを目的に企画。蒲郡市やクラシックホテルなども協力し、滝氏の生涯と滝氏が蒲郡に残したものを守る蒲郡の人々を描いた本として、今年3月に完成した。
市と蒲郡観光協会は市民や市内の学校に通う児童生徒に、滝氏の功績で竹島地区の観光が発展でき、今の蒲郡があることを紹介したいと思い、本を図書館を含む公共施設や小中学校、高校に配ることにした。
市観光まちづくり課の浅里太一さんは「この機会に竹島や蒲郡の歴史を知ってもらうととに、地元の観光にも興味を持ってほしい」と話した。
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愛知県蒲郡市生まれ。2020年、地元蒲郡が好きで東愛知新聞社に入社。同年から蒲郡担当、市政や地域行事、文化など全般を取材。ドローンを使って東三河の名所を空撮したルポ「大二朗記者の空からの訪問」を不定期連載。これまで、三河大島や三河国分尼寺跡、日出の石門などを空撮してきた。ドローン技術向上のため、国家資格「一等無人航空機操縦士」を24年に取得。読者の皆さんが楽しんでもらえる記事と記憶に残る写真を掲載できるよう、日々、頑張っていきます。
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