先月20日夕、田原市の渥美半島中央付近の畑で、全身にけがをしてうずくまっている雄猫を女性が発見、保護した。何かの薬品を全身にかけられた可能性があるという。猫は今月5日に死んだ。市内では猫が殺害されたとみられる事件が起きており、関係者が警戒している。
女性は、地域猫活動などに取り組む一般社団法人「あにまるあいず」代表の大河さやかさん。大河さんによると、被害に遭ったのは半年前から姿を見せるようになった黒毛の雄。5~6歳とみられる。去勢手術をして元の場所に戻し、トイレと餌を管理していた。家族の畑で一日2回、餌を与えていた。
先月19日朝は異変はなかったが、19日夕と20日朝は来なかった。20日夕に見ると、顔から首にかけてひどいけがをしていた。当初は、ほかの猫や野生動物とのけんかと思っていたが、翌日には、けがの範囲がさらに拡大。捕獲器を仕掛け、23日になって保護し、動物病院へ運んだ。
獣医師は「動物がかみ付いた痕や爪痕はなく、動物によるけがではない」と診断した。前日まで異常はなかったことから皮膚病の可能性もない。腹部に傷はなかった。毛を刈り取り、抗生剤を投与してもらい、25日に病院から引き取った。
獣医師はけがの原因は不明としていたが、大河さんが「人為的に薬品などがかけられたのではないか」と指摘すると「その可能性が高いだろう」と答えたという。しばらくは食欲があったもののほとんど動けず、ふん尿は垂れ流しの状態だった。元気がなくなり、風邪症状も出て通院していたが今月5日に死んだ。
大河さんは6日に田原署へ届け出て、動物愛護法違反事件として捜査を依頼した。担当者は周辺の聞き込みなどをすると答えたという。大河さんは「子どもを持つ親として、また子ども食堂などの事業をしている立場としても、このような人間がいるのはとても怖い」と伝えたという。
大河さんは「猫が遺棄さていたり、虐待されていたりするのを見た場合は、必ず警察に届けてほしい」と呼び掛けている。
田原市内では2022年10月に毒餌を食べたとみられる飼い主のいない猫の死骸が発見されたほか、昨年6月にも切断された猫の死骸が相次いで見つかったという報道があった。
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1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。
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