豊橋市の新アリーナ計画を巡り、長坂尚登市長と議会との対立が泥沼化しつつある。長坂市長は22日、市議会が可決した契約解除に関する改正条例の議決を取り消しを求め、市議会の伊藤篤哉議長を相手取り、名古屋地裁に提訴した。裁判の長期化が予想される一方、長坂市長は23日の定例記者会見で契約解除への手続きは進める考えを示した。
市の契約解除を議会の議決要件とする改正条例は昨年12月議会で可決された。市は議会権限を越えた法令違反などを理由に議会に再議を申し立てたが再可決。続く知事審査の申し立てに対しては3月末の裁定で「法令違反とまではいえない」として棄却された。
訴状によると、これまでの再議や知事審査の申し立て同様、議会の越権などの法令違反を主張している。
新アリーナの契約解除を巡っては、事業者「豊橋ネクストパーク」に申し入れた協議は3月4日に始まった。契約解除も議会の同意が必要とする改正条例についても、22日の提訴で議会との対立関係が色濃くなった。
裁判の進展や判決への対応次第で長期化することも予想される。自身が事業者と進める解約へ向けた協議との関連について長坂市長は「今後の裁判の結果と、事業者との契約解除へ向けた協議とは関係がない」との見方を示した。
一方、市議会に対しては住民投票の実施を想定し、3月定例会で提出した新アリーナ関連事業費を盛り込んだ補正予算が成立した。
住民投票を見据え、市長側からアリーナ事業のメリットやデメリットを示す情報発信について問われると「事業者側の提案情報には黒塗りが多く、十分に開示していない状況だ。自分からこれまで以上の詳しい情報発信はできない」として、住民投票になった場合でも市側の情報発信は難しい考えを示した。
伊藤議長はこれらを踏まえ「市長はあらゆる情報にアクセスできるはず。事業者が拒むのは解約手続きを優先したからではないか」との見方を示した。今後は「この間にも工事遅延は続き、それを知らない市民も多い。解約に伴う金銭的な影響など市長の説明責任を果たさなければ、市民が置き去りになる」と警鐘を鳴らした。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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