豊橋技術科学大学の広瀬侑准教授(光生物学)が、大量培養が可能な耐酸珪藻を発見した。抗肥満成分の「フコキサンチン」を多く含むことで知られる。広瀬准教授が代表社員を務める技科大発ベンチャー「サイナルジ」を設立し、新規市場の開拓に臨む。
フコキサンチンは昆布などに含まれ、脂肪燃焼効果のある機能性表示食品として認可されている。抽出に手間がかかるため、1㌘あたり約1万5000円と高額で、流通が限られている。
これまでにも珪藻類が多くのフコキサンチンを含むことは知られていたが、大量培養が難しかった。広瀬准教授が発見した珪藻の一種は耐酸性を持っているため、酸性環境で生育することで捕食者を駆逐でき、大量培養が実現した。
昆布の約30倍のフコキサンチンを含んでいるため抽出が不要。粉末などの形で直接摂取することでコストを大きく抑えられる。
広准准教授によると、フコキサンチンを含む藻類の安定的な屋外半開放培養は世界初。藻類の市場規模はスピルリナ(300億円)、クロレラ(200億円)、ユーグレナ(150億円)などがあり、この耐酸珪藻も機能性表示食品の開発、販売により数百億円以上の市場を開拓できる可能性があるという。これを利用した有用物質生産に関して国際特許を出願している。
県内の施設園芸農業の耕地面積は年数%のペースで減少している。広瀬准教授は「高価値の生産物で農地の収益性を高める形への転換が実現できる。使われていない温室を利用し、新しい農業で県内に産業、雇用を創出できる」と語った。
サイナルジは昨年2月設立。健康食品や化粧品、飼料などを共同開発するパートナーを募集しており、5年後には年間売り上げ8億円を目指すという。広瀬准教授は「少しペースを落としてでも、地域貢献になるようにしたい」と述べた。
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