国道23号名豊道路が全線開通して間もなく2カ月になる。利便性が向上したとの声が多い。沿線の観光施設も利用者が増えた場所がある。一方で恒常的な渋滞が課題になっており、早期の4車線化を望む声が大きい。
延長72・7㌔の高規格道路で1972年度に事業着手した。知立、岡崎、蒲郡、豊橋、豊橋東の五つのバイパスで構成される。最後に残された蒲郡バイパスの蒲郡IC(インターチェンジ)-豊川為当IC間の9・1㌔が3月8日、事業着手から半世紀を経て開通した。
沿線の施設を見ると、七根ICに隣接する「道の駅とよはし」は全線開通後、利用者が2~3割増えているという。近隣だけでなく、車のナンバーを確認すると名古屋方面から来た人も目立っている。小松原ICから車で5~10分ほどの豊橋総合動植物公園は、3月のイベントの入場者数が過去最高だったといい、前年比約4割増。田原市でもテレビで紹介された店が、これまで以上ににぎわっているといい、テレビだけでなく開通効果もあるとみられる。
蒲郡、豊川は今のところ大きな変化はないものの、蒲郡は浜松方面からの、豊川は名古屋・西三河方面からの利便性が向上しており、期待が大きい。
通勤で利用する人も歓迎する。豊川為当IC近くの職場に通う人は、開通したことで勤務先までの到着が早くなり「朝が少しだけ余裕を持てるようになった」と話す。
これまで未開通区間を平行して走る国道1号や旧23号、三河湾オレンジロードは恒常的に渋滞が発生していたが、交通量が減り改善した。岡崎から豊川へ国道1号を利用して通勤している人は、「10分程度、早くなった」と語る。
運送会社も歓迎する。西濃運輸では「豊橋から名古屋までノンストップで、無料で行ける効果は大きい。夜間は渋滞もなくスムーズに走れる」とする。一方で「日中の渋滞は課題」と話す。
渋滞の影響で敢えて名豊道路を使わない運送会社も。豊川市内の会社では「名豊道路を利用すると、渋滞がある時とない時の差があり、日によって荷物の到着時間が変わってしまう。時間が読める国道1号を利用する」と説明する。
課題は渋滞で、平日、休日とも日中は各所でのろのろ運転になる。開通前よりも交通量が増えているとみられ、例えば豊川為当ICから豊川橋南ICまでの名古屋方面へ向かう車線がたびたび渋滞するなど、各所でこれまで以上に渋滞の列が伸びている。
4車線化することで解消が期待される。現在は豊橋市内の大崎-野依IC間で4車線化の工事が進んでいる。この工事の終了後、渋滞状況を見て、次の4車線化をする場所を決めるという。
住民、運送会社、地元自治体は「全線開通で利便性が向上してありがたい。次は早期の4車化を望む」と口をそろえる。
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1973年生まれ、豊川市出身。建設業界に勤務後、96年に入社。2022年から豊川市を担当している。趣味は美術館巡り。ポッドキャストでラジオを聞くのも好きで、さまざまな番組を楽しんでいる。
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