豊川市の諏訪神社などが市に「戦禍の狛犬」の文化財登録に向けた調査要望

2025/05/28 00:00(公開)
諏訪神社に鎮座する戦禍の狛犬

 豊川市諏訪西町2の「諏訪神社」に鎮座する「戦禍の狛犬」は、1945年8月7日の豊川海軍工廠(こうしょう)空襲で被爆し一部が欠損するなど、戦争の悲惨さを伝えている。神社と氏子総代会、諏訪連区は今年で空襲80年を迎えることを受け、26日、市に市文化財指定に向けた調査を要望した。

 

 空襲で動員学徒や女子挺身(ていしん)隊員を含む工員、職員ら2500人以上が亡くなった。工廠の周辺にあった神社も焼け落ちるなどの被害に遭った。狛犬は焼け残ったが、顔や体の一部が吹き飛ばされている。

 

 戦後、地元の人の努力で神社と森を復興させた。2002年には、氏子総代が恒久平和と犠牲者への鎮魂、戦争を再び起こしてはならないことを願い、狛犬を座らせた庭泉を作った。狛犬は空襲の恐ろしさを伝えているとともに、戦禍からの復興の象徴となっている。

 

渡辺課長に要望書を手渡す小沢会長と小元宮司=音羽庁舎で

後世に平和の重要性語り継ぐ

 

 3者は80年の節目に平和の重要性を後世に語り継ぐため、市の文化財指定登録を目指すことにした。調査を市にしてもらうため、文化財の保護と保存に取り組む市生涯学習課に要望することにした。

 

 この日、氏子総代会の小沢勇会長と神社の小元秀子宮司と地域の人ら計6人が赤坂町の音羽庁舎を訪れた。小沢会長と小元宮司が同課の渡辺寿彦課長に、地域で集めた1076人分の署名と要望書を手渡した。

 

 渡辺課長は「しっかりと調査します」と話した。小元宮司は「多くの人に戦争の恐ろしさと平和の重要性を伝えるためにも登録を目指したい」と述べた。

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林大二朗

 愛知県蒲郡市生まれ。2020年、地元蒲郡が好きで東愛知新聞社に入社。同年から蒲郡担当、市政や地域行事、文化など全般を取材。ドローンを使って東三河の名所を空撮したルポ「大二朗記者の空からの訪問」を不定期連載。これまで、三河大島や三河国分尼寺跡、日出の石門などを空撮してきた。ドローン技術向上のため、国家資格「一等無人航空機操縦士」を24年に取得。読者の皆さんが楽しんでもらえる記事と記憶に残る写真を掲載できるよう、日々、頑張っていきます。

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